佐々木麟太郎が語る“本塁打の3要素” 高校通算140発…三振しても貫いた「上へ向かって」

「背中が倒れそうになるくらいのイメージで振り、腰で押し込む」
昨秋のドラフトでソフトバンクから1位指名された米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手が5日、故郷の岩手県内でのイベントに参加した。地元の小・中学生約60人と交流し、フリー打撃も披露。打撃後には“本塁打を打つ極意”について語った。
佐々木はこの日、花巻市のJALスタジアム花巻で行われたイベントに参加。フリー打撃では39スイングで柵越え6発(うち4発が場外弾)を放った。その後行われた“質問コーナー”では「ライナーの打ち方」を聞かれる場面も。佐々木は「実演しましょう」とバットを構え直し、ゴロ、ライナー、フライを打ち分けてみせた。
岩手・花巻東高時代に通算140本塁打を放った類稀な長距離砲。佐々木は「小さい頃から“上へ向かって”打ってきました。自ずとフライ率が高く、三振も多かったです」と振り返る。“ヒットの延長がホームラン”ではなく、“ホームランの打ち損ないがヒット”のタイプと言えそうだ。
小中学生に対しては「25~30度の角度で打てば、ホームランや長打になる確率が高いといわれています」とバレルゾーン(長打や本塁打が最も生まれやすい打球速度と打球角度の組み合わせ)について分かりやすく説明も行った。
理想の角度で打球を打ち出す秘訣はあるのだろうか。佐々木は「ポイントは打つ姿勢にあると思います。ゴロを打つには、前の足(左打ちの佐々木の場合は右足)に体重をかけ、前(投手方向)でボールをとらえます。逆にフライを打ちたければ、ボールを手元まで引きつけ、どちらかというと背中が(捕手方向へ)倒れそうになるくらいのイメージで振り、最後に腰で押し込むつもりで打つと、打球に角度がつきフライが上がりやすくなると思います」と丁寧に言葉を尽くした。
身長184センチ、体重100キロ超の体格「たくさん食べたお陰」
長打を放つには、打球速度も重要なポイントになる。佐々木は「打球速度は練習で変えられます。小・中学生のみんなは成長期で、バットを振り込み、力強く振れるようになれば、打球速度も上がってきます。野手が追いつけないような打球を、打てるようになってほしいと思います」と激励した。
一方、「変化球の打ち方」を聞かれると、「“いかにバットを使わないで打つか”という意識がポイント。僕自身、下半身だけで打撃をする意識でバットを振っています。下半身主導の打ち方をしていれば、『ボール球だ』と思った瞬間にバットが止まる。下半身を意識することは、打球を遠くへ飛ばすためにも大切なことです」と熱弁した。
身長184センチ、体重は100キロを軽く超える立派な体格も、本塁打を量産する上でアドバンテージとなっているに違いない。佐々木は「父(花巻東高硬式野球部監督を務める洋さん)は身長175センチ、母(玲子さん)は160センチちょっと。遺伝的にはそれほど大きくなれるはずではなかったと思います。食事が凄く大事で、自分は祖父母が農家だったこともあって、小さい頃からお米をたらふく食べることができました。好き嫌いはないですし、たくさん食べたお陰で大きな体になれたと思っています」と明かした。
11、12日(日本時間12、13日)に行われるMLB(米大リーグ機構)のドラフト会議で指名されれば、交渉期限は米東部時間で7月27日午後5時(日本時間28日午前6時)。一方、ソフトバンクとの交渉期限も今月末に迫っている。佐々木は「自分が歩んできた道なので、自分で責任を持って判断したい。自分の中では少し、緊張感があるんじゃないかと思っています」と語った。舞台が日本であれ、メジャーリーグであれ、佐々木ならではの強烈な打球を見せてほしい。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)