父親から「甲子園ってどんな感じ?」 “親子2代”で目指した聖地…息子が秘めた「大きな財産」

父から「甲子園ってどんな感じなの?」と“食い気味”に聞かれた
第108回全国高校野球選手権・東東京大会は13日、同大会3連覇を目指す関東第一が神宮球場で初戦(3回戦)に臨み、筑波大付を21-0の5回コールドで下した。「4番・二塁」で出場し4打数2安打3打点と活躍した主将・井口瑛太内野手(3年)の胸には、大会開幕前に父から掛けられた一言が刻み込まれている。
「俺は行けなかったけれど、お前はもう1度甲子園に行け」
父・浩伸さんもかつて、関東第一の主将を務めた。当時は「1番・二塁」で活躍。主軸には同学年で、現在チームを率いる米澤貴光監督がいた。3年夏には東東京大会の決勝まで勝ち進んだが、後に巨人、メジャーリーグなどで活躍する高橋尚成投手を擁する修徳に6-7で惜敗。あと一歩で甲子園出場を逃した。
一方、今大会に3年連続となる夏の甲子園出場がかかっている現在の関東第一。息子の井口は、昨年2年生ながら甲子園のベンチ入りを果たし、準々決勝の日大三戦では代打出場。“聖地”から戻ると、父は興味を隠さなかった。「『甲子園ってどんな感じなの?』『どんな雰囲気なの?』と、結構食い気味に聞かれました」と井口は笑顔を浮かべる。
父が立つことのできなかった舞台だからこそ、甲子園への思いは強い。「自分の代で出てこそ本物。自分の代で必ず甲子園へ行きます」。昨夏は先輩たちに連れて行ってもらい、今年は自分たちが後輩を連れて行く番だ。「1、2年生の時に経験した甲子園は、本当に大きな財産でした。だから今度は、自分たちが後輩たちに甲子園を経験させてあげたいです」と力を込める。
チームは春の東京都大会を制し、第1シードで大会を迎えた。「これからは相手も自分たちだけをターゲットにして向かってくると思います。その中でプレッシャーも出てくると思いますが、自分たちの100%を出すことを意識して戦いたいです」と淡々と言葉を紡ぐ。
毎回の計21得点でも「課題をひとつひとつ詰めて次の試合に臨みたい」
初戦では初回から2点、2点、14点、3点と重ね計21得点。「全てのイニングで点を取れたこと、無失点で終われたことは良かったですが、まだまだ課題もあります。ひとつひとつ詰めて、次の試合に臨みたいです」と、主将に油断は微塵もない。
米澤監督は“現主将”の井口を「すごく真面目で、コツコツやる子。模範的な人物です」と評する。そして「お父さんもどちらかというと無口で、指示を出すというより自分で黙々とやるところは同じでした。でも、(息子の井口は)お父さん以上に真面目ですよ」と目を細めた。
井口は「去年、一昨年の先輩たちの明るさや実力は、自分たちよりはるかに上でしたが、全員で束になって戦えば近づけると思っています」とまなじりを決する。“親子2代の夢”を、今夏の甲子園で結実させる。