女子野球部が甲子園制覇…スタンドから見つめた男子部員 同じユニも大きな差「今年は俺ら」

福知山成美ナイン【写真:喜岡桜】
福知山成美ナイン【写真:喜岡桜】

男子・女子硬式野球部を有する福知山成美…糧は同じユニホームに感じた雪辱

 クラスメートから刺激を受けた。猛暑が続くわかさスタジアム京都で19日、第108回全国高校野球選手権京都大会の4回戦が行われた。夏は2013年以来の甲子園出場を狙う福知山成美は、部員15人の亀岡に先制を許すと、相手の堅守に得点チャンスを阻まれて9回2死まで追い込まれた。だが、代打・清水武留内野手(2年)が三塁線へ放った逆転サヨナラ二塁打で3-2とし、準決勝へ駒を進めた。

 前身の福知山商として初出場した1999年夏をあわせ、これまで春3度、夏4度、甲子園の土を踏んでいる福知山成美。2006年夏、2014年春には全国ベスト8に入ったが、元号が令和になってからは聖地に達していない。対して、同校に2009年に創部された女子硬式野球部は2025年夏、甲子園で行われた決勝で11年ぶり2度目の全国制覇を達成した。

 女子高校野球の決勝当日、男子部員はスタンドから声援を送った。ネットを隔てた聖地のグラウンドで躍動する、同じユニホームを着用した女子球児たち。仲が良いという高丸航誠外野手(3年)は「悔しかったですよ。俺らの方が(多く)練習をしていて、(福知山成美といえば)俺らが主役になるはずなのに、俺らが行くところに女子の選手が先におるんって」と振り返る。

 決勝の翌日、当時2年生ながら女子硬式野球部でエースナンバーをつけ、5回まで投げた右腕・木戸衣緒理投手(3年)を「やるやん、すごいね」と労った。だが心中は複雑だった。男子は京都大会3回戦で京都共栄に2-4で敗退。「僕は硬派なので(女の子に悔しさは)見せません」。栄光に浸り、嬉しそうな女子野球部員の前で感情を押し殺した。

福知山成美ナイン(写真は2025年)【写真:喜岡桜】
福知山成美ナイン(写真は2025年)【写真:喜岡桜】

生徒同士の意地がぶつかり合う「同じ硬式野球部として、負けられないな」

 主将の田邊蒼翔外野手(3年)も木戸と仲が良いという。決勝に「同級生が出ていたので嬉しい面もあった」としつつ、「その場に先を越されている立場として、同じ硬式野球部として、(自分たちの代では)負けられないなっていう気持ちになりました」と明かした。

 女子硬式野球部の優勝により、校歌が聖地で流れ、田邊もスタンドで胸を熱くした。しかし、「自分が甲子園のグラウンドに立って、校歌を歌うことに意味があると思うんです。そうなれることを目指して頑張ろうって(男同士で話しました)」。

 同じ学校に通っている女子生徒が甲子園で白球を追う姿からは、公式戦でライバル校に負けたときとは異なるエネルギーが沸いた。高丸は「僕は自我が強いんで。今年は俺らが主役」と言葉に力を込めた。京都大会も大詰め。対する女子は初戦を白星発進した。男女の意地がぶつかり合う。互いの戦況を気にしながら、同じ学舎からの聖地を目指していた。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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