松井秀喜氏、高校野球は「9回、甲子園が当たり前」も 7回制議論に示した“スタンス”

オールドタイマーズ・デーに参加した松井秀喜氏【写真:佐藤直子】
オールドタイマーズ・デーに参加した松井秀喜氏【写真:佐藤直子】

ヤンキースタジアムで開催された「オールドタイマーズ・デー」に出場

 巨人やヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏が8日(日本時間9日)、ヤンキースタジアムで行われた恒例のOB戦「オールドタイマーズ・デー」に参加し、二塁からの激走で先制ホームを踏む活躍で大いにファンを楽しませた。球団史を彩ったレジェンドOBらと旧交も温めた松井氏は試合前に取材に応じ、高校野球で7回制導入が議論されていることについて「僕の場合は9回をやるのが当たり前で、甲子園でやるのが当たり前だった。自分の中では、それをどうするとかはないです」と、“静観”する姿勢を示した。

 1950年代から2010年代まで名門球団の一員としてプレーしたレジェンドたちが、ブロンクスに集結した。松井氏は「この中ではまだ若い方だからね」と数々の“先輩”たちと挨拶を交わしたり、地元テレビ局の突撃取材に応じたりと終始笑顔。打撃練習では、1巡目の最後に右翼席へ推定100メートル弾を打ち込むと、しばらく他メンバーの打撃練習を見ていたが、殿堂右腕のマリアーノ・リベラ氏が打撃投手を務めると分かると再びバットを手に持ち、打席に立った。

「バットを折りたくなかったから打ちたくなかったんだけど、やっぱり記念なんでね。マリアーノからなかなか打つことはできないから」

 この積極的な打撃練習が幸いしたのか、「2番・DH」で出場した試合では、1打席目に大きな中越え二塁打を放って出塁。続くバーニー・ウィリアムス氏の左翼線二塁打で、一気に先制ホームを踏んだ。途中からは右翼の守備にも就く場面もあり、イベントを大いに盛り上げた。

 この日のニューヨークは気温35度。強い日差しが照りつける中、球団職員がレジェンドOBたちにこまめな給水を呼びかけていたほどだ。世界的に気温が上昇傾向にあり、「スポーツ×熱中症」は大きな課題となり、各所で話し合いが持たれている。5日に開幕した「第108回全国高校野球選手権大会」にしても然り。試合を9回制から7回制に変更しようという議論があることについて話が及ぶと、松井氏は言葉を選びながら答えた。

「甲子園で、9回やるのが当たり前って思っているだけ」

「意見は特にないですけどね。まぁでも、自分としては高校野球は9回をやるのが当たり前だったんで。その後もずっとそうでしょ? 僕は甲子園でやるのが当たり前で、9回やるのが当たり前って思っているだけ。それはやっぱり今の時代に合った風に変わっていくのかどうか、皆さんが意見を出し合っているんじゃないですか」

 7回制に加えて、開催球場を甲子園球場に限らないなど様々な議論がある中で、松井氏が改めて示したのは「高校野球は9回制、甲子園が舞台」という自身の価値基準だ。これが今に合っているかどうかは別の話。ただ、あくまで松井氏にとっての高校野球は自身の経験に基づくもので、それ以上でもそれ以下でもない。その時代に合った形の高校野球となればいいし、そこに意見するつもりもない。

 取材では、突然“迷案”がひらめき「あ、ある! 甲子園に360度、冷風をビューってやるのをやればいいんじゃない? あのミストみたいなのをビューっと。暑さ対策にはなるでしょ?」とは言ったものの、「うん、でも風で舞って誰もフライが捕れなくなっちゃう。試合どころじゃなくなっちゃうな」と苦笑い。「やっぱり立場のある人が考えていくんじゃないですか」と専門家に判断を任せる。

 松井氏が願うのは、この先の未来も野球というスポーツが子どもたちに愛され、多くの人々に楽しみと喜びを与えるものであること。高校野球の議論は他に任せながら、松井氏は松井氏にしかできない方法で野球界への恩返しをし続けていく。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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