甲子園ビデオ判定、解釈難しい「速やかに」の基準 要求“却下”に審判副委員長が説明

ビデオ検証をリクエストしたが、審判団は受け入れなかった【写真:加治屋友輝】
ビデオ検証をリクエストしたが、審判団は受け入れなかった【写真:加治屋友輝】

今大会から導入9イニングに1回、判定変わればノーカウントも、3回目はなし

 第108回全国高校野球選手権大会で第11日が行われた15日、3回戦の第1試合となった高川学園(山口)-天理(奈良)で、監督が今大会から導入されたビデオ検証を求めたものの、申請のタイミングが遅かったとして受け入れられないという初のケースが起こった。

 高川学園は3-4と1点リードされて迎えた6回の攻撃で2死一、二塁のチャンスをつかんだ。9番・田中良則内野手(2年)が一、二塁間へゴロを放ち、一塁へ猛然とヘッドスライディング。天理の一塁手が捕球し、ベースカバーの投手が送球を受けて一塁ベースを踏むのと、微妙なタイミングとなったが、判定は「アウト」。この後、高川学園の松本祐一郎監督がビデオ検証を“リクエスト”したが、審判団は受け入れなかった。

 高校野球でも今大会からビデオ検証が採用され、今後は春の選抜大会、秋の明治神宮大会でも実施される。今年4月の日本高野連の理事会で承認された「大学及び高校野球におけるビデオ検証に関する特別規則」には、「当該判定があった後、または当該判定に関するプレーが一段落した後、速やかに球審に対してビデオ検証を求めることができる」との文言がある。

 試合終了後、尾崎泰輔・大会審判副委員長は「“速やかに”という部分に基準はなく、審判の判断に委ねられています」と指摘。「今回のケースでは、守備側の天理高校の選手たちが既に三塁線を越えて三塁側ベンチの方へ戻っていたこと、リクエストした側の高川学園の投手と捕手も位置に就いて投球練習を始めていたことから、タイミングが遅すぎると判断し、高川学園の監督にも納得していただいたとのことです。ルール通りです」と説明した。

 新たに夏の甲子園に導入されたビデオ検証は、9イニングに1回求めることができる。判定が変わった場合はカウントされず、あと1回に限り検証を求めることができるが、2回目に判定が変わったとしても、3回目は求めることができない。また、今夏も予選の各都道府県大会では行われなかった。

同点逃した重要なプレー「ベンチの責任、もっと素早く判断すべきだった」

 この回同点に追いつけなかった高川学園は、8回に2点を奪われて突き放され、結局3-6で敗れた。松本監督は「局面が変わる大きな場面でしたが、ベンチサイドの判断が遅れました。われわれの勉強不足です。もっと素早く(ビデオ検証を求めるかどうかを)判断して、検証してもらうべきでした。ベンチの責任です」と猛省。審判団の説明には納得していた。

 今大会では既に何度かビデオ検証が行われ、判定が覆ったケースもあった。今後、勝敗の行方にも大きく影響することもありそうだ。

【実際の場面】際どいプレーも判定はそのまま 当該シーンを連続写真で確認

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