仙台育英女子マネが聖地で駆け抜けた2週間 流した“涙“と父への“感謝”「帰ったらハグしたい」

仙台育英・星よつは学生コーチ兼マネジャー「もっとみんなと戦いたかった」
第108回全国高校野球選手権大会は18日、甲子園球場で準々決勝が行われ、第2試合で仙台育英(宮城)が3-11で智弁和歌山に敗れた。学生コーチ兼マネジャーを務め、記録員としてベンチ入りした星よつはさんは、「もっとみんなと戦いたかった。(甲子園は)本当に夢みたいな場所でした」と、涙を流しながら聖地で過ごした2週間を振り返った。
仙台育英で初の女子野球部員として入部した星さんは、今大会の全4試合でベンチ入り。記録員としてデータの管理や声かけ、飲み物の準備など選手たちのサポートに尽力した。「広く視野を持って、客観的かつ俯瞰して試合を見ることが自分の役割。どの試合も貴重な体験をさせてもらえたのは、本当にみんなのおかげだなと思います」。
指揮を執る須江航監督からは、「男子部員に負けないノックを打てること」「データ分析のためにエクセルなどのパソコン操作を身につけること」「初の女子生徒として、嫉妬や偏見があっても3年間ブレずにやり切る覚悟を持つこと」を入部の条件として提示された。
懸命にチームへ貢献する姿勢に、主将の倉田葵生外野手(3年)も感謝を隠さない。「自分たちでは気づけない視点で指示を出したり、冷静に指摘してくれたりするので本当に頼りになりました。寮生活や運営面でトラブルが出なかったのも星のおかげだと思っています」と深く頷いた。

今後の進路は未定も…「夢や希望を与えられるような存在に」
選手と同じユニホームを着用して聖地のベンチに座り、東日大昌平(福島)の中野蘭マネジャーと共に大きな注目を集めた。星さんは、「『自分もやってみようかな』『自分にもできるかもしれない』と思ってもらえるような、これまでにない挑戦のきっかけとなる存在になれたらすごく嬉しいです」と胸を張った。
父は仙台育英出身で、巨人や西武でプレーし、現在は東北学院大で監督を務める星孝典氏。同じユニホームを着て甲子園で戦えたことは、大きな誇りだ。
「緊張やプレッシャーもありましたが、全力で試合を楽しめたのはお父さんのおかげだと思っています。父は温かい笑顔で迎えてくれると思うので、帰ったらハグをして『ありがとう』と伝えたいです」
今後の進路は未定としながらも、大学でも野球に関わり続けたい意向を持っている。「仲間の大切さや、チームスポーツとして集団で一丸となって頑張ることの素晴らしさを実感できました。将来は誰かに夢や希望を与えられる存在になれるよう頑張っていきたいです」。
監督やチームメート、そして父から学んだことを胸に刻み、次のステージへと踏み出す。
(神吉孝昌 / Takamasa Kanki)