7年ぶり“大舞台”でまさかの暴投…悔やむ元ドラ1「何してんだ」 社会人でも投げ続けるワケ

西武、ヤクルトでプレーした東芝・宮川哲が都市対抗で7年ぶりに登板
久々の東京ドームのマウンドで、顔をしかめて唇を噛んだ。東芝の宮川哲投手が28日、第97回都市対抗野球大会・日本生命戦の延長10回に登板。いきなり初球が暴投となり三塁走者の生還を許し「1点もあげられないところで、初球でちょっと足滑らせてあんなことになっちゃって。何してんだって感じです」とうなだれた。
試合は3-3で延長タイブレークに突入していた。10回、イニングまたぎとなった長屋竣大投手(ENEOSからの補強)が2点を失い、なおも1死二、三塁で宮川がマウンドに上がった。チームで守護神を務める30歳。暴投のあとは切り抜けたが、チームも3-6で初戦敗退となり「負けたら終わりなので……」と悔やんだ。
2019年ドラフト1位で西武に入団。1年目には49登板で13ホールド、3年目にも45試合に登板したが、先発に転向した2023年は結果を残せず。同年12月に交換トレードでヤクルトに移籍した。しかし2024年は4登板、2025年は1軍登板なしに終わり、オフに戦力外通告を受けた。
2025年は2軍ではチーム最多の42試合に登板していたが1軍からの声は掛からなかった。「投げたい気持ちはありましたけど、夏過ぎとかには『ああ、もうダメかな』って大体わかっていたので。でもそこで腐らず、誰が見ているかわからないんだっていう思いでやっていました」と振り返る。どんなときも手を抜くことなく、できることをやり続けた。だからこそ、6年間のプロ生活を「後悔とかはないです」と言い切ることができる。
古巣への恩返しの思いを胸に、7年ぶりに東芝のユニホームに袖を通した。“元ドラ1”がステージを変えても投げ続ける理由は、ただひとつだ。
「シンプルに野球が好きっていう、そこじゃないですか。うまくなりたいとか細かく言えばいろいろありますけど、大まかに言えば野球が好きで続けたいっていうことだけ。投げられるうちは、投げさせてもらえるうちは、できる限り野球は続けたいなと思っています」
チーム最年長になった。立場も変わったが、向上心は尽きない。「まずは自分がちゃんとしないといけないので。きょうみたいなことをしていてはダメ。社会人でも、後悔なくやり抜くという思いでやっていきます」。宮川らしく、ひたむきに、まだまだ右腕を振り続ける。
(町田利衣 / Rie Machida)