ドジャースは1日(日本時間2日)にロースターを大幅に入れ替え、その中で8月頭に加入したベン・ロートベット捕手を40人枠から外すDFAとした。昨年の後半にチームを救った男は、今年もドジャースに戻って窮地を支えた。
オプションがないために今後はウェーバーにかけられ、他球団が獲得に手を挙げれば移籍。通過すればドジャースのマイナーに残る可能性もあるが、また主力捕手の誰かが怪我をしない以外、ロートベットが再昇格する可能性は低いだろう。
8月3日(同4日)、ドジャースはハンター・フェドゥーシア捕手とともにロートベットを再獲得し、1か月間は併用が続いた。その中でもロートベットのスタメンは3試合に1回で、第2捕手という立場。スミスかラッシングが復帰すれば、自分の居場所はなくなる――。そんなことは我々よりも本人が一番理解していたはずだ。
「このチームの枠の争いの激しさは分かっている。チャンスが全くないよりは、ロースターに入ったり外れたりしながらでも戦える方がいい。他のチームから獲得されるのも評価されている証拠だし、とにかくチームに残るために、自分の価値を証明できるよう全力を尽くすだけさ」
守備で評価を得てきたロートベット。試合前にはいつもロッカーでスカウティングレポートを真剣な表情で読み込んでいた。紙をまとめるバインダーにはサックスを吹くゼニガメの写真が貼られている。SNSで一時期バズッたもので、自身が登場曲で使う「Run Away」が使われていたからだ。
「ああ、これね。球団スタッフが作ってくれたんだよ(笑)。登場曲でこの曲を使っているから、それに合わせて作ってくれたんだ」
ロバーツ監督も感謝「真のメジャーリーガーだ」
8月最後の試合となったタイガースとのカード最終戦ではスタメンマスクを被り、グラスノーの好投を導いた。バントを失敗する場面もあったが、安打も記録した。
しかし、スミスに加えてラッシングの早期復帰も決定。ブランドン・ゴームズGMからDFAを告げられた。ドジャースから1年で3度目のDFAとなった。
ロートベットがDFAとなった日。ドジャースタジアムにはまだ名前が書かれたロッカーがあった。しかし道具は置かれておらず、本人はもういなかった。
試合前に行われた会見で、ロバーツ監督はロートベットに感謝を述べた。
「ゴームズが彼にDFAになることを連絡し、これまでの貢献に深い感謝を伝えた。ベンは素晴らしいチームメートであり、真のメジャーリーガーです。昨年我々が世界一を勝ち取るのを助けてくれたことに、私は永遠に感謝し続ける。本当に素晴らしい男だよ」
大谷翔平投手、フレディ・フリーマン内野手、ムーキー・ベッツ内野手……。スーパースターがスポットライトを浴びる裏で、毎年故障者の穴埋め要員として“使い捨て”となる選手がいる。これがメジャーリーグの現実だ。空虚なロッカーを見て、またそう思った。