ロッテ電撃退団から1年「ひっそりやっています」 コーチ打診固辞→異国へ…石川歩から2500字のメッセージ

オーステルハウト・ツインズの石川歩【写真:本人提供】オーステルハウト・ツインズの石川歩【写真:本人提供】

2013年ドラフト1位で入団…12年間プレーしたロッテへの思い

 昨季限りでロッテを退団した石川歩投手は、今季からオランダ野球トップリーグ「ホーフトクラッセ」の「オーステルハウト・ツインズ」に移籍した。2013年ドラフト1位で入団して12年間を過ごしたロッテへの思い、コーチ就任の打診を固辞した舞台裏や、後輩たちとのエピソードまで……。2500字を超える「言葉」を余すところなくお伝えします。

◇◇◇◇◇

――ロッテでの12年間を振り返って感じること。
「早かったですね。自分が35歳くらいになったら、大体思ったところに投げられて自分の状態も把握できる投手になっていて、それで辞めたいなと思っていたんですけど、全然そんなことなく、わけのわからないまま終わってしまった感じでした。結果というよりは、自分の中で納得できる球やフォームをもっと掴んでいる予定のはずでした。でもそこを目指してやるべきじゃなかったというか、ずっともがいてやっていたのが良かったのかなとは思ったりしますけど」

――思い出は。
「やっぱり最初の1、2年間とかは知らないことだらけの世界に入ったのですごく刺激的でしたね。初登板(2014年3月30日のソフトバンク戦)のときのことはすごく思い出に残っていますけど、もうだいぶ昔のことですね。ZOZOマリンスタジアムではいつもすごく大きい声援をいただいて、ありがたかったです。オランダに来て尚更思いますよ、観客がほとんどいないので(笑)」

――終盤は右肩手術や育成契約も経験した。
「投げられない時期はしんどかったです。本当にただ球場に来ているだけのときもあったので。もう1年早く手術しておけばなというのは思ったりしますけど。2022年の終盤に痛めて、2023年は全く投げられず、10月に手術をしました。その年の春とか、なんなら痛めてすぐくらいに受けておけばちょっと変わったのかなと思ったりしているんですけど、まあしゃーないですね」

――手術の影響は大きかった。
「手術自体はすごくうまくいったんですけど、その後の手術を受けた箇所の癒着というか、そこのタイトさが取れなくてすごくしんどかったです。可動域もめちゃくちゃ落ちたし、自分が思っているスピードよりも5〜6キロ遅いみたいな感覚のズレが出てきたので、そこを埋めるためにやっぱり力むし、悪循環みたいな感じでしたね。今も、自主トレのときとか投げる量がそんなに多くないときは「いけるわ」と思うんですけど、球数がかさんだり投げ出すとまだちょっと厳しい感じは残っています」

開花した後輩右腕にニッコリ「一皮むけてくれたのか…本当にうれしい」

――昨秋、コーチ就任の打診を固辞して退団を決めた。
「10月に入ったくらいじゃなかったかなと思ってるんですけど、そういう話がありました。その年に僕も辞めようと思っていて、自分で辞めて海外に行こうと思っていたんです。自分で英語教室に通って、いろいろなところと話もしていたので。荻野(貴司)さんや美馬(学)さんの話も聞いてはいて、10月に入ったくらいに呼ばれたので『ああ、やっぱりそうだよな』と思いながらでした。(指導者は)僕はちょっとできない。やるならもっと勉強しないと無責任かなと思うので。それに海外への思いは揺るぎなかった。しんどいとは思うけど、今年契約があって日本でやっていたとしても、もしあと1年か2年やったあとに海外に行こうとは思わないなと思ったので。このタイミングしかないのかなと考えました」

大きな声援をくれるロッテファンに感謝の思いも【写真:産経新聞社】大きな声援をくれるロッテファンに感謝の思いも【写真:産経新聞社】

――1年間オランダで暮らして、日本の野球の情報は知っているか。
「なかなか難しくて、一応スコアくらいは見たりしますけど、たまにですね。『お、八木(彬)また勝ってんな』とかは見ています。あとSNSとかで流れてくる『パ・リーグTV』をちょっと見たりくらいです」

――八木は昨季まで未勝利もプロ5年目で開花し、中継ぎながらチームトップタイの9勝をマークしている。
「うれしいですよ。八木は仲のいい後輩のひとりだったし、連絡もちょいちょい取っています。昨年からずっと『お前はもうファームでやることないから』って。みんな言っていることですけど、あとは1軍で結果を残すだけだなと思っていたので。球は見ていないので一皮むけてくれたのかはわからないですけど、でも本当にうれしいですね」

――ほかに連絡を取っている仲間は。
「何人かですね。唐川(侑己)だったり、池田(来翔)は近くに住んでいたので『飯どこかいいところないですか』とか。あいつはガツガツ来ます」

――特に昨季はファームで多くの時間を過ごした。期待したい逸材は。
「やっぱり武内(涼太)ですかね。もうストライクが入れば打たれないと思うんですけどっていうくらい、球は本当にヤバいですね。見たことないくらいの球を投げています。キャッチボールもしましたけど、ちょっと次元が違うと思いました。すごいです。ただストライクが入っていなかったので。まだピッチャーではないですね。本人が課題とどう向き合っているかわからないので、もしただ投げているだけなら厳しいと思いますけど、球だけ見ると武内はヤバいです」

遊びにきた同学年の福田秀平と【写真:本人提供】遊びにきた同学年の福田秀平と【写真:本人提供】

“千隼インスタ荒らし”は「誰も見てないんだったらここを僕のXに」

――元同僚・佐々木千隼投手(現DeNA)のインスタグラムのコメント欄に大量のコメントをしていることでも話題になっている。
「え、あれ知ってます!? 結構認知されているんですかね? たまに“いいね”がめっちゃ増えていてビビるんですよ」

――あれはなぜ……。
「特に何もないんですけど、暇だったので。自分のインスタだとツインズの選手にも見られちゃうので、千隼のところに書いてみて、そこからずっとやっています。最初は『更新してください』とやっていたらアンサーがないので、誰も見ていないんだったらここを僕のX(旧ツイッター)にしようと思っていろいろつぶやいています。全部自分で埋め尽くそうと思ってやっているけど、終わりが見えなくなってきて……。今380個くらいだと思うんですけど、400個いったらやめるか、千隼が投稿したらやめるか、どうしようかな」

――佐々木千隼からのリアクションは。
「僕がコメントしている千隼の唯一の投稿が中川颯くんと共同投稿らしくて、通知が来るのかわからないですけど『颯も楽しみにしています』みたいなメッセージが来ました。だから千隼は知ってはいますし、やり取りをしたこともあります。インスタではずっと無視されていますけど」

――海外生活を楽しんでいる。
「楽しいですよ。暇ですけど。皆さんにオススメしたいです。ヨーロッパは物価が異常に高いので、そこだけですね。長い休みはいろいろな国に遊びに行ったり。福田(秀平)が来たときには、オランダに住んでいる(リック・)バンデンハークの家に行って1泊して、そこから2人でスイスに行きました。福田は同学年ですけど今はマリナーズでコーチをやっていて、英語も喋れるようになっていたのですごいなと思いました」

――オランダで新たに見つけた趣味などは。
「サイクリングくらいですね。日本でも自転車には結構乗っていたんですけど、オランダは自転車がめちゃくちゃ多くて自転車のレーンがあってすごくいいですよ。あと川で釣りができて、この前チームメートに誘われたんですけど、僕は食べるまでが釣りだと思っているので、食べられないと聞いてやめておきました。ゴルフ場が近いのでゴルフに行ったりサウナに行ったりもしますけど、物価が高いので気軽に行けないなっていう感じですね」

――最後にロッテファンへメッセージを。
「僕はひっそりやっています。荻野さんとも連絡を取りながら、細々頑張っていますので、インスタでもチェックしてもらえるとうれしいです。千隼のじゃなくて僕のです(笑)。よろしくお願いします」

(町田利衣 / Rie Machida)

RECOMMEND

CATEGORY