「生存率3%」から生還 世界一アストロズのコーチ、優勝パレード後の“奇跡”
米国で大きな話題に、硬膜下血腫で意識不明「脳死状態になりかけていた」が…
今季世界一に輝いたアストロズの一塁コーチが、優勝パレード後に硬膜下血腫で倒れ、生存率3%の状態から生き延びていたと米メディアが報じている。“奇跡の生還”は米国で大きな話題となっている。
ESPNは「硬膜下血腫でアストロズのリッチ・ダウアーは命が危うくなりかけていた」とのタイトルで記事を掲載。はじめに米メディア「ジ・アスレチック」で報じられたというニュースの内容は衝撃的だ。
「ジ・アスレチックの報道によると、執刀医たちがワールドシリーズ優勝パレード直後にリッチ・ダウアーの深刻な硬膜下血腫の手術を開始した際、医師は彼の妻と友人たちに、生存の見込みはたった3%だと伝えた」
記事によると、ダウアー氏は優勝パレード前夜の11月2日に濡れた床で転倒し、側頭部を強打。しかし、当時は痛みがなかったために、パレードを欠席することは考えなかったという。ただ、実は深刻な状態だったようだ。
「パレード後のシティーホールでの集会の最中にダウアーはふらつき始め、打撃アシスタントコーチのパウエルに『体調が優れない』と伝えた」
球団関係者は脱水状態だと思っていたというが、救命士が駆けつけて救急車に乗せ、渋滞をぬって病院へ。この時の状況について、ダウアー氏は呼吸停止で呼吸管を要する状態で、医師が「彼は反応がない。最悪なことだ」と話していたと、記事では伝えている。
その後、約3時間に及ぶ手術が行われたが、執刀医は「ジ・アスレチック」の記事の中で「脳死状態になりかけていた」と証言。手術は成功したものの、ダウアー氏が目を覚ますまで脳の損傷の状態がわからなかったことなども明かされている。
しかし、アストロズのコーチは驚異的な回復力を見せ、3日後には呼吸器が外されたという。同15日には退院し、すでにトレーニングも再開。さらに、定期的に健康状態のチェックが必要ではあるものの、脳の状態は至って良好で、チームドクターが「彼の身に起きたことの重大さはおぞましいものだし、驚くべきものだった。彼の回復するペースも、また同じくらい驚きだ」と話したこともESPNでは紹介している。
生存率3%からの生還”。ダウアー氏、家族、そしてアストロズにとっては、ワールドシリーズ制覇に続く奇跡となった。
(Full-Count編集部)