3連覇逃した西武 中継ぎに160キロ右腕が2人、必勝リレーを確立するも…【投手編】

西武シーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】
西武シーズンレビュー2020【画像:パーソル パ・リーグTV】

開幕投手は「負けない男」のニールだったが…

 リーグ3連覇を目標に掲げて望んだ2020年シーズンだったが、悔しい3位で今シーズンの戦いを終えた西武ライオンズ。終盤には2位・ロッテに肉薄したものの、あと一歩及ばなかった。本記事は投手を中心とした前編、野手を中心とした後編に分けて、各選手にフォーカス。パーソル パ・リーグTVの特集動画「シーズンレビュー2020」とともに、西武の2020年シーズンを振り返っていく。

 チーム防御率で見れば、昨季の4.35に対して、今季は4.28と大きな変化は感じられないかもしれない。しかし、この成績をもう少し詳しく見てみると、リリーフは昨季の3.87から改善され、同3.46とリーグ3位の好成績。勝利数で見ても、昨季は1点差での勝利数が19だった一方で、今季は試合数の違いもある中で25勝と大幅に増加している。僅差の試合を勝ちきる力は、間違いなく向上したと言っていいだろう。

 開幕投手を務めたのは「負けない男」のニール投手だったが、昨季からの連勝記録がついに「13」でストップ。本来の力を発揮できず、以降も苦しい投球内容が続いた。そこで先発陣を引っ張ったのが高橋光成投手だ。今季はプロ6年目で自身初の規定投球回に到達し、8勝8敗、防御率3.74の成績を残した。2年連続の2桁勝利には届かなかったが、先発の柱としてまた一回り成長したシーズンだった。

 昨季は長身から投げ下ろす直球を軸に、スライダーと決め球のスプリットを織り交ぜる投球スタイルだったが、今季は「カットボール」を加えてさらに進化。直球4割、スライダー・カットボールで2割強、スプリット3割程度で投球を構成し、時折目線を外すカーブを満遍なく投げ込んだ。特に、同じ球速帯のカットボールとスプリットがそれぞれの良さを互いに引き出し合っており、ここに球威のある真っ直ぐも加わって打者に的を絞らせなかった。

 開幕直後は5連敗を喫するなど不安定な投球が続いたが、9月以降は5勝2敗、4失点以上を喫したのは2試合と安定した投球を見せた。また、今季はカード初戦に登板する機会が多かったため、相手チームの好投手との対戦も数多く経験した。9月8日のオリックス戦では、球界のエース・山本との投げ合いという状況の中で、8回まで無安打投球で2016年以来の完封勝利。さらに翌月6日のソフトバンク戦では、こちらも球界のエース・千賀との投げ合いを7回途中無失点で制している。来年は開幕からローテーションをけん引し、エースとして自身2度目の2桁勝利を目指して欲しいところだ。

松本航はセットポジションへのフォーム変更が転機に

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