最終的には強権発動か…MLBコミッショナーの試合時短案を選手会が拒否も
昨季の平均試合時間3時間5分はメジャー史上最長を記録
現職に就任以来、試合時間の短縮に力を入れているMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド氏だが、今オフに提案した新たな“試合時間短縮案”がMLB選手会に拒否されたという。MLB公式サイトほか複数の現地メディアが伝えている。
記事によれば、2017年の平均試合時間は3時間5分でMLB史上最長を記録したという。マンフレッド・コミッショナーは、投手の投球間隔を制限する時計を導入したり、敬遠を申告制にするなど、さまざまな試みを取り入れながら、試合時間の短縮に力を入れてきた。だが、効果はあまり現れていないようだ。
今回の提案の中には、ピッチャーの投球間の時間制限を現在マイナーで試験的に取り入れている20秒に短縮、また捕手がピッチャーマウンドに出向く回数を1イニングあたり1投手1回に制限、といった内容が盛り込まれていたようだ。
だが、この提案に選手会が反発した。以前より選手間では試合時間が長い要因として、テレビ中継に伴うCM時間の長さや多さが指摘されるなどし、野球の本質を変えるようなルール変更に異論を唱える声が多かった。一方で、現在メジャーをビジネスとして成り立たせている根本は、広告収入やテレビ放映権料という事実は否めない。
記事によれば、2016年オフにも同様の短縮案を拒否された経緯があるが、MLB労使協定の規定によれば、1年以上前に改定提案をしていれば、MLB選手会の同意がなくても、コミッショナー権限でルール変更できることになっているという。
だが、マンフレッド・コミッショナーはあくまで双方合意の元に変革を進めていきたい方針で、近日中にも選手会の代表を務めるトニー・クラーク氏と会談を持つそうだ。
ビデオ判定の導入や申告制の敬遠など、ここ数年でメジャーのルールは大きく変動しているが、その動きはしばらく止まることはなさそうだ。
(Full-Count編集部)