MLB公式サイト、映像駆使し牧田を絶賛「球速は遅い」も…球筋は「ゾンビ」
日本時代の動画を多く使い大特集「稀なありえない投手」
西武からポスティングシステム(入札制度)でパドレスに移籍した牧田和久投手の投球スタイルに渡米前から注目が集まっている。米国の各メディアが、希少なサブマリン投法に注目。大きく取り扱われることもあるが、MLB公式サイトの動画コーナー「Cut4」も映像をふんだんに使った特集記事を掲載している。
「Cut4」では「カズヒサ・マキタは理想の80マイル(約129キロ)のサブマリン投手である」と題して、牧田についての“解説“記事を組んだ。その中で「パドレスと2年契約を結んだ後、カズヒサ・マキタはチャド・ブラッドフォード以来初の、真のサブマリン投手になるだろう。パット・ネシェック、ダレン・オデイ、そしてブラッド・ジグラーのようなサイドスロー投手は多くいるが、マキタのように地面を擦りそうな程の投手はいない」と、アンダースローの希少性について特筆している。
特集では、日本時代の動画を多く使っているが、その中には社会人・日本通運時代のものも。さらに「マキタはスカウトの注目を集めるような投手ではない。実際、彼がプロ野球選手であることは、ほとんどアメージングだと言える。彼は大学でドラフトにかかることはなかった」と指摘。プロの選手としては遅い球速ながら、その巧みな投球術で結果を残してきたことを絶賛している。
記事では「メジャーのリリーフ投手は95マイル(約153キロ)のファストボールを持っているように思える」としつつ、昨季の牧田の平均球速が128.8キロだったことを紹介。マイルに直すと、約80マイルだったと指摘している。これは、約75マイル(約121キロ)だったヤクルト山中に次いでNPBで2番目に遅い数値だが、メジャーに移籍すれば3マイル(約4.8キロ)もの差を付けられての最下位になるという。昨季メジャーで最も遅かったのは平均83.6マイル(約134.6キロ)。ブレーブスからFAとなったナックルボーラーのR・A・ディッキーだ。
この球速で牧田がメジャーの猛者を抑え込んだら、まさに爽快。「ファストボールは遅い。しかし、空腹の人喰いゾンビのように地面から浮き上がり、もしあなたが準備できていないとしたら、それはあり得ない球となる」「リーグのブルペンが同じように構成されている中、マキタは稀なありえない投手である」。MLB公式サイトはこう称えつつ、「彼の登場曲がピットブルの『International Love』だったのは相応しい。なぜなら彼がパドレスで初登板する際、それは我々が彼に与えるものだから」と締めくくっている。
パドレスのメジャーキャンプには、マイナーから「サブマリン」の2投手も招待選手として参加するとも報じられている。決して平坦な道ではないが、変幻自在の牧田の投球への期待は高いだけに、米国のファンも驚かせてほしいところだ。
(Full-Count編集部)