オリオールズ、経営難で年俸の持ち越し提案 米メディアは球団の身売りも予想
年俸調停対象選手のマンシーニ、サンタンダーに年俸を持ち越す“分割払い”を提案
オリオールズが提案した前代未聞の経費削減案が米国で話題になっている。コロナ禍による経営難も重なり球団が選手に対し年俸を分割払いにし支払いを遅らせることを提案したが、要求は受け入れらなかったようだ。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
オリオールズはオフの契約でトレイ・マンシーニ外野手とアンソニー・サンタンダー外野手に2021年の年俸の約25%を翌年以降に持ち越しする“分割払い”を提案したという。記事では「極めて異常で、警戒心を抱かせかねない今冬の支出削減の例として、オリオールズは2人の年俸調停対象選手に対し、1年契約の年俸の一部繰り延べを受け入れるよう要求した」と説明。
だが、両選手ともこの提案を受け入れず拒否しマンシーニは年俸475万ドル(4億9300万円)で合意、サンタンダーとは合意できず年俸調停の可能性が濃厚となった。
オリオールズはすでに50人近くビジネス部門の人員を削減したり、ホセ・イグレシアスをトレードで放出するなど支出削減に取り組んできたが、現状のペイロールは約6000万ドル(約62億3000万円)と見られ、これは30球団で最小の部類に入ることを言及。
大型契約で支払いを繰り延べることは一般的なことだが、ある代理人は年俸調停交渉の中で“分割払い”を選手に求めるのは「ただ、ただ風変わり」、「そんな話は一度も聞いたことがない。考えたことすらない」と困惑したという。
この状況にベテラン代理人も「私が最初に思ったのは、彼らが身売りに走っているかもしれないということだ」との見解を示している。コロナ禍でプロスポーツチームを抱える経営者側は厳しい状況に陥る可能性も出てきているようだ。
(Full-Count編集部)