鷹・柳田悠岐はどこが凄い? コース別成績から見える最強打者の“弱点”の無さ
コース別成績を見ると、ゾーン内のほぼ全てで3割を超えている
球界屈指の強打者と言えば、ソフトバンクの柳田悠岐外野手が浮かぶファンは多いだろう。驚異的なパワーを誇る一方で、高いアベレージも残す。“変態打ち”と称される体勢を崩しながらの本塁打に度肝を抜かれたことは一度や二度どころではない。
果たして、柳田の凄さとはどこにあるのか。今回はコース別の打撃成績から柳田の凄さ、相手バッテリーが打ち取るための“穴”を検証してみよう。
柳田のコース別の打撃成績を見てみると、恐ろしいのは、ゾーン内を9分割したほぼ全てのコースで打率3割以上をマークしていること。唯一、ゾーン内で3割を切っているのは外角低めの打率.268だが、同じ外角でも1つ上の高さになると打率.500、1つ内に入った真ん中低めは打率.559となっている。投手にとっては一歩投げミスをすれば痛打に繋がることになる。
相手バッテリーから執拗な内角攻めをされるシーンが多い柳田だが、このインコースも上から打率.500、.425、.455とどの高さでも打率4割以上を残しており、苦手にしているわけではない。
さらに言えば、内角高めを除くどのコースでもホームランを放っており、相手バッテリーからすれば、どこに投げてもホームランを打たれる危険性があるということ。コース別の打撃成績を見る限り、ボール球を振らせるしか、攻略法はなさそう。とは言え、柳田は選球眼も良く四球が多いため、それも難しいのだが……。
球種別の成績を見ると、ストレートは.379、カットボールは.390、ツーシームが.625、スライダ-が.349といずれも高い成績を残す。その一方でカーブが.263、チェンジアップが.267、フォークが.230、シンカーが.222となっており、相手バッテリーからすれば、これらの縦の変化球で抑えにかかるしかないか。
これらのコース別の成績を見ると、柳田がいかに穴のない打者である、がよく分かる。最大の敵は、怪我をしないことだけ。2021年もまた、そのバッティングで何度もファンを楽しませてほしいものだ。