「もうMLBは最高の目的地ではないのか…」田中将大の“喪失”に敵軍メディアも悲嘆

レッドソックスと対戦するヤンキース時代の田中将大【写真:AP】
レッドソックスと対戦するヤンキース時代の田中将大【写真:AP】

ボストン地元紙が回顧「タナカvs.レッドソックスは楽しい試合だった」

 ヤンキースからFAとなり、8年ぶりに楽天に復帰した田中将大投手。7年間プレーしたメジャーリーグから離れることになり、米メディアは一様に喪失感をあらわにしている。ライバル球団だったレッドソックスが本拠を置くボストンの地元紙「ボストン・ヘラルド」では「レッドソックスは、タナカが日本へ去るのをとても悲しがっていることだろう」と伝えている。

 同紙は「MLBは、この冬、日本で最大のスターを獲得するはずだった。その代わりに、MLBは日本で最大のスターを失ってしまった」と指摘。ポスティング申請しながら巨人に残留した菅野智之投手と、米国を去る田中の存在を挙げた。

 まだ32歳であることなどを挙げつつ「ヤンキースは、今世紀に(CC・サバシア、マイク・ムッシーナ、アンディ・ペティット次いで)4番目に勝利数の多い投手を、ぜいたく税を避けるために失った。もうMLBは海外の選手にとって、最高の目的地ではなくなってしまったのか」と悲嘆。チームは今オフ、レンジャーズからFAとなっていたコーリー・クルーバー投手と、パイレーツの先発投手ジェイムソン・タイヨン投手を相次いで獲得。キャッシュマンGMは「1人分の価格で2人を」と事情を説明していた。

 同紙では、レッドソックスが「タナカが苦しんだ唯一のア・リーグ東地区の球団だった」と紹介。同地区のライバルに対し、22試合に先発し、防御率5.70。一方でオリオールズに対しては防御率3.61、レイズには防御率3.31、ブルージェイズには防御率3.03だった。

「タナカとの試合では予測可能な部分もあったが、だからといってそのために芸術性が薄れたわけではなかった。タナカvs.レッドソックスの試合は、見るのが楽しい試合だった。タナカの素晴らしいところは、彼が深刻な怪我もなく、彼の試合を大きく変えることなく、MLBでこれだけ長く生き残ったことだろう」と回顧。渡米1年目に右肘靭帯の部分断裂に見舞われたものの、移籍1年目から6年連続で2桁勝利を挙げた。

 田中が十分にメジャーで活躍できる可能性を挙げた同紙は「今回、彼は、MLBでユウ・ダルビッシュ、ヒデオ・ノモ、ヒロキ・クロダに次いで、日本人投手として、4番目に最も価値ある選手としてMLBを離れることになった」と指摘。その上で「悲しいことは、あと数年で彼はMLBで最高の日本投手としてここを去ることが出来きたのに、ということだ」とまとめた。

(Full-Count編集部)

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