楽天石井GM兼監督、震災10年で決意新た「東北の皆さんに優勝を届けられるように」
休日には部屋でリラックス推奨「僕はテレビゲームのウイニングイレブンをやります」
今季から新たに現場の指揮も執る楽天の石井一久GM兼監督は31日、翌2月1日のキャンプインを前に、沖縄県内の宿舎ホテルで監督就任後初のミーティングを開いた。22日まで沖縄県金武町の金武町ベースボールスタジアムで春季キャンプを張る。
「今年は東日本大震災から10年という大事なシーズン。当時在籍していた、していなかったに関係なく、(楽天の選手である以上)しっかり意識して、東北の皆さんに優勝を届けられるようにしたい」。ミーティングでは選手たちへそう呼びかけたという。
「シンプルな事だが、1球1球に集中すること」をテーマに挙げた。昨季は一時首位を走りながら、後半失速してBクラスの4位に終わっただけに、「集中力を1年間保ってほしい。ここ数年、シーズン後半に成績が落ちる傾向がある。調子が落ちかけた時、どれだけ1球に集中し、執着できるか。歯止めをかけるプレーを求めたい。今年こそは(日本一となった2013年以後に)なかなか勝てなかった悔しさをぶつけてほしい」と訓示した。
前日には、都内で田中将大投手の入団会見に同席。この日はキャンプ地の金武町で、選手の自主練習を視察し、47歳には酷な強行軍となったが、「僕に睡魔が来ても関係ない。それより、選手がすごく元気そうにキャンプ地に来てくれたのがよかった」と笑顔が弾けた。
田中がチームに合流する時期については、「キャンプ中盤のちょい前。正確な日程は決まっていない」とはぐらかした石井監督。震災発生日の3月11日には、静岡でロッテとのオープン戦が予定されているが、「田中投手? そんないろんな所に登場させたら、シーズンが持たない。それよりしっかり調整していただくことが、1年の目標を達成することにつながると思う」と釘を刺した。
コロナ禍のキャンプでは、休日の外出もままならない。石井監督は「僕はテレビゲームをやります。ウイニングイレブンをやります」と笑わせた後、「休日にゴルフもできない状況だが、選手はリフレッシュしないといけない。部屋ではリラックスしながらやっていきたい」と語った。
震災後10年という特別な年を迎え、さらに田中の復帰という一大ファクターまで加わった。期待値は天井知らずに上がっている。就任1年目から大きなプレッシャーを背負うことになったが、秋には最高の結果をファンに届けるつもりだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)