楽天鈴木大地、“ユーティリティ枠”で侍入りも FA移籍2年目で躍進の予感

ロングティーを行う楽天・鈴木大地【写真:宮脇広久】
ロングティーを行う楽天・鈴木大地【写真:宮脇広久】

昨季は新天地でキャリアハイの打率をマーク

 楽天・鈴木大地内野手が躍動感にあふれている。沖縄・金武キャンプで第1クール最終日の4日、志願して特守に取り組み、その後ロングティーまで敢行した。ロッテからFA移籍した昨季は全120試合出場を果たし、キャリアハイでリーグ5位の打率.295をマーク。今季はさらに充実度を増している。

 楽天で2年目のキャンプを迎え、「何より初日のキャッチボールの相手がすんなり決まっていて良かった。気持ちが楽でした。去年はそこからだった。そういう緊張感がなく、明るく楽しく、みんなと一緒に練習ができています」と感慨深げに笑った。

「昨年は遠慮ではないですが、探り探りの部分があった」と明かし、「今年は全体練習で声を出していこう、先頭に立って元気を出してやろうと思っています」と張り切っている。プロ10年目の31歳は「自分より若い選手が増えていますが、まだまだ負けないつもりです」と言い切った。もともとロッテ時代にはキャプテン、選手会長を歴任しただけに、楽天に慣れた今季は本来のリーダーシップも発揮しそうだ。

 鈴木大のもう1つの持ち味が、ユーティリティ性。今夏の東京五輪で金メダル獲得を目指す侍ジャパンの稲葉篤紀監督も「鈴木選手は勝負強いし、サードもファーストも、セカンドもこなす。ユーティリティプレーヤーは何人かほしいですよね」と興味を示した。

 最近侍ジャパンでは、内外野どこでも守れる西武・外崎修汰内野手が重宝されているが、鈴木大も引けは取らない。昨季はゴールデングラブとベストナインをダブル受賞した三塁手として84試合、他に一塁手としても36試合スタメン出場した。ロッテ時代の一昨年に至っては、一塁、二塁、三塁、遊撃、左翼、DHと何でもござれだった。

 東日本大震災発生から10年というシーズンを前に、チーム全体を見渡し「たくさん練習して自信をつけて、節目の年の今年こそ優勝したいという気持ちがみんなにある」と評する鈴木大。1年間かけて新天地に居場所を築いた男は、今季どんな飛躍を遂げるか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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