前田健太が期待する自身の進化 昨季153キロ計時に「リミッター外れた」
昨季先発時の平均球速は148キロ、救援では最速153キロを連発
今季メジャー移籍3年目を迎えるドジャースの前田健太投手。昨季はポストシーズンから不慣れな救援に配置転換されながらも、通算9試合で2勝0敗、防御率0.84の好成績を残した。快刀乱麻の働きでチームのワールドシリーズ進出に貢献した右腕だが、その過程でさらなる飛躍のきかっけも掴んでいたようだ。それが球速だ。
前田の速球は、昨季先発した試合は平均時速92マイル(約148キロ)前後を計時したが、プレーオフの救援マウンドでは「短い回なので全力でいっている」と95マイル(約153キロ)を連発した。27日(日本時間28日)に開催されたファンフェスタに出席した前田は、当時を振り返って「久しぶりに全力で投げた。久しぶりに自分の中のリミッターみたいなものも外れたんで、それがもしかしたら先発の時に生きるかもしれない」とリリーフ登板で掴んだ手応えについて語った。
「例えれば、ジョギングに慣れてしまっていたので、久しぶりに全力で走ったみたいな体の使い方をした」
6回以上の長いイニングが期待される先発は長距離走のようなもので、体力のペース配分を考えなくてはいけない。一方で、リリーフ登板はそれより短いイニングを任されるため、短距離走のように全力をぶつけられる。決して本意ではない救援転向だったが、「久しぶりに目一杯で投げてスピードが出たっていうのは、先発でも場面によっては使える」と収穫は十分。先発ローテを守り抜くことを目標とした今季につなげるつもりだ。
日本で行った自主トレでは、例年よりも上半身の強化に努めたという。18勝を目標に掲げる今季。これまでとひと味違うパワフルな前田健太が見られるかもしれない。
(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)