プロ野球界の人材育成へ 「パ・リーグ ビジネススクール」の狙いとは
「パ・リーグ ビジネススクール」開校、野球界以外からも講師招聘
パシフィックリーグマーケティング株式会社が「パ・リーグ ビジネススクール」を実施した。プロ野球ではオフ期間にあたる昨年11月から今年1月までの毎月、東京都内で延べ4日間6コマのスクールが開催され、合計5名の講師が登壇。パ・リーグ6球団の職員を中心とした有志参加者が座学・ワークショップ形式で、招かれた講師のスピーチを聴講した。
米国メジャーリーグ(MLB)球団からはロサンゼルス・ドジャースのインターナショナルパートナーシップスマネジャーである佐藤弥生氏を招聘。実例を通して「球団スポンサー獲得やアクティベーション、集客プロモーション」について、また、自身のキャリアを通じて「女性がスポーツ界でキャリア構築するためには」の講義が行われた。
プロ野球以外の競技からは、Jリーグの村井チェアマンによる「Jリーグの事業戦略」やメジャーリーグサッカー(MLS)で国際事業コンサルタントを務める中村武彦氏による「MLS急成長の秘密」の論議が行われている。その他には「リクルート社が新規事業を生み続けられる仕組み」やキャリア形成の観点で「MLB球団で働く意義」などの講義が行われた。
「パ・リーグ ビジネススクール」はプロ野球界全体の人材育成を目的とし、米国スポーツビジネスや一般的なビジネスを学ぶ機会を提供する。各球団から米国に視察へ訪れることもあるが、時期や費用の関係で人数と時間が制約される可能性も否めない。そうした問題を解消するとともに、球団間人材の横連携を深めるのも狙いだ。
参加者は当日、各分野のプロフェッショナルの言葉に耳を傾けた。講義中から質疑が相次ぎ、先を取る質問には、講師が内容の順序変更を余儀なくされる場面が見られたほどだ。また、講義の前後には、参加した職員同士が所属球団を越えて積極的な交流を図っている。