ストレートは全球154キロ超え 鷹・千賀が圧巻の復帰戦で密かに試していた“新球種”

春季教育リーグの中日戦で実戦復帰したソフトバンク・千賀滉大【写真:福谷佑介】
春季教育リーグの中日戦で実戦復帰したソフトバンク・千賀滉大【写真:福谷佑介】

12日の春季教育リーグ中日戦で今季初の実戦登板に臨んだ千賀滉大

 12日にタマスタ筑後で行われた春季教育リーグの中日戦。この試合でソフトバンクの千賀滉大投手と柳田悠岐外野手が実戦に復帰した。両ふくらはぎのコンディション不良で出遅れていた千賀は2回を投げて1安打3奪三振で無失点。アキレス腱のコンディション不良だった柳田は2打席に立ち、左飛と二ゴロだった。【福谷佑介】

 この日が今年の実戦初登板となった千賀。初回は同期入団で今季から中日で育成選手としてプレーする山下に二塁打こそ許したものの、2つの三振を奪って無失点。2回も2死から溝脇に四球を与えたものの、難なく無失点に抑えた。全部で32球を投げて、真っ直ぐが半分の16球。その全てが154キロ以上を計測し、最速は159キロだった。

 復帰戦にも関わらず、圧巻のボールを投げ込んだ千賀。「思ったよりも出ていたなと思います。最近の疲れ具合から、今日はスピードは出ないだろうと思っていたんですけど、それなりに出ていて、ずっと出力も良かったのでボチボチかなと思います」。150キロ台半ばを連発しながらも「ボチボチ」というのが恐ろしい限りだが、復帰に向けて大きな一歩を踏み出したと言えるだろう。

 この日の千賀はただ実戦に復帰しただけではなかった。1軍昇格、そして長いシーズンに向けて、新たな球種を“テスト”していた。この球種については「内緒です」「またいつかどこかで話します」と口を噤んだものの、この試合で「2、3球」試したことを明かした。

 この日投じた32球のうち、その“新球種”と思しきボールは3球あった。初回、石岡に対して四球を与えた141キロ、そして山下に投じた2球目の141キロ、2回に溝脇に投じた3球目の145キロだ。いずれも左打者から逃げていく、右打者に食い込んでいく軌道を描いていた。ツーシームかシュート、シンカーといった球種だろうか。

 千賀自身は「まだ試している最中なので、使えるなと思ったら話します」としており、まだまだテスト段階。ただ、これを自由に操れるようになったならば、また千賀に大きな武器が1つ加わることになる。ただ、帰ってくるだけではない。千賀はまた進化を遂げて、1軍の舞台に帰ってこようとしている。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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