NPBとの交流試合を実現 夢を叶えた台湾球界唯一の日本人スタッフ
台湾球界の出会いは2008年アジアシリーズ
2016年、2017年シーズンに2年連続4割を放ち、昨シーズンは三冠王にも輝いた台湾の王柏融外野手。オフに日本球界入りの可能性もあり注目が集まっているが、その王柏融が所属するラミゴモンキーズが、今月17日、18日に石垣島でロッテと、28日、3月1日には北海道で日本ハムと交流試合を行う。
ラミゴモンキーズは日本球界との交流が深く、ロッテとは2014年に台湾で、16、17年には春季キャンプ地の石垣島で交流試合を行っており、鴨川で行われている秋季キャンプにも選手を派遣している。ラミゴモンキーズの春季キャンプ地、台湾・屏東にある屏東縣立棒球場を訪れると「コンニチハ」と日本語が飛び交っていた。
「陽耀勲外野手(元ソフトバンク)や王溢正投手(元DeNA)など、日本でプレーしていた選手もいますし、秋季キャンプに参加してロッテの選手と顔なじみになっている選手もいます。自分がいることもあると思いますが、ラミゴの選手は日本を身近に感じていると思います」
そう話すのは、ラミゴモンキーズ球団部の礒江厚綺さんだ。礒江さんは台湾球界唯一の日本人スタッフとして、日本球界と台湾球界の交流に尽力している。
礒江さんが台湾野球に興味を持ったのは2008年、当時開催されていたアジアシリーズを観戦したことがきっかけだ。出身が東村山市ということもあり、子供のころから地元チーム、西武ライオンズの大ファン。高校3年生の時に西武が日本一に輝き、アジアシリーズを観戦。台湾代表、統一ライオンズの試合も観戦し、ユニークな応援やファンと選手の距離の近さ、そして応援に駆け付けた台湾の人の優しさに魅了された。
進学した大学では中国語を専攻。学生時代は2、3か月に1度台湾を訪れ、台湾にある4チームすべての試合を観戦。地方球場で行われる試合にも足を運んだ。
「最初は挨拶くらいしかできませんでしたが、球場に足を運んでいるうちにスタンドにも顔見知りができて『こういう時はこう言ったほうがいいよ』と教えてくれるようになりました。通じる中国語が少しずつ増えていくのがうれしくて、メモ帳を持って球場に通っていました」