10年361億円で契約延長したリンドーア 契約満了後も毎年5億円超が支払われるワケ
契約金が約22億円、年俸約34億円のうち5億円超は契約満了後10年間での支払いに
メッツのフランシスコ・リンドーア内野手が3月31日(日本時間4月1日)、2022年から10年総額3億4100万ドル(約360億6000万円)で契約を延長した。これは遊撃手史上最高額で、MLBでもエンゼルスのマイク・トラウト外野手、ドジャースのムーキー・ベッツ外野手に次ぐ高額契約となった。
メッツと巨額契約を結ぶことになったリンドーア。この契約は2022年から2031年までの10年契約だが、米メディアによると、実際には年俸の支払いが2041年まで続くことになるという。このリンドーアの契約の詳細について米メディアが詳報している。
「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者が伝えるところによると、総額3億4100万ドル(約360億6000万円)のうち、2100万ドル(約22億2000万円)は契約金として支払われ、10年間の年俸は3200万ドル(約33億9000万円)に。ただ、この年俸のうち、毎年500万ドル(約5億3000万円)、計5000万ドル(約53億円)は10年契約が満了した後の2032年から2041年の10年間で支払われる契約となっているという。
現在、27歳のリンドーアは、10年契約が終わる2031年には38歳となる。仮にこのタイミングで現役を引退したとしても、48歳になる2041年まで約5億3000万円の収入が保証されていることになる。
MLBではこうした契約形態はそれほど珍しいわけではない。メッツでは、1999年に在籍していたボビー・ボニーヤ氏を1年590万ドル(約6億3000万円)の契約を残して放出。この際にメッツは、オーナーだったフレッド・ウィルポン氏の投資絡みの経営戦略により、ボニーヤに対して年俸を払う代わりに年率8%の金利を乗せた年120万ドル(約1億2700万円)を2011年から25年間支払うことでボニーヤ氏と合意した。
その結果、ボニーヤ氏は72歳までに計約2975万ドル(約32億円)を受け取ることになっており、いま現在もメッツからボニーヤ氏への支払いは続いている。日本のプロ野球界ではあまり聞くことのない珍しい契約形態があるメジャーリーグの世界。リンドーアもこうした契約の1つの例と言えそうだ。
(Full-Count編集部)