鷹・工藤監督をも唸らせる今宮健太の美技の価値「たとえ打撃が本調子でなくとも…」
周東との二遊間が美技を連発し工藤監督は「ヒット1本に値する」
■ソフトバンク 4ー1 オリックス(14日・PayPayドーム)
ソフトバンクは14日、本拠地PayPayドームで行われたオリックス戦に4-1で勝ち、本拠地での連敗を4で止めた。先発の和田が7回途中4安打無失点の好投。今宮、周東らバックの好守もあって、球団では20年ぶりとなる40代勝利を達成した。
本拠地4連敗、オリックスには3連敗、そして、相手の先発は球界屈指の右腕・山本という苦戦必至の状況を和田が跳ね返した。初回を3人で抑えると、7回途中で足が攣って降板するまでオリックス打線を4安打に封じた。最速は146キロをマークし、ピンチらしいピンチはなし。無失点の好投で今季初勝利をマークした。
この日の和田の好投を支えたのはバックの守りにもあった。2回には周東が外野へ抜けようかという当たりを好捕。3回には二遊間を襲ったゴロを名手・今宮が体を懸命に伸ばしてキャッチし、一回転して矢のような送球を一塁へ。さらには松田も好守を見せ、和田も「いい当たりを全部アウトにしてくれた。チーム全員に今日は落とせないというのが感じられて勇気をもらいました」とバックに感謝していた。
野手陣の好守連発には工藤公康監督も驚きを隠さない。試合後に「最近凄いプレーばっかり出ますね。今宮くん、周東くんと素晴らしいプレーで盛り立ててくれた。たとえ打撃が本調子でなくとも、あれだけ守備で助けてくれるのは、ヒット1本に値すると思っています。それくらい盛り立ててくれた」と絶賛だった。
特に光るのが今宮だ。開幕から超が付くほどのファインプレーを連発している名手。この日は1安打を放ったものの、それまで12打席連続ノーヒット。13日の試合終了時点で打率は.152と低迷していた。打撃面で貢献できておらず、さらには下半身のコンディションに不安があるため、数試合に一度は欠場している。だが、今のソフトバンクにとって、今宮の存在は欠かせない。それだけ守備での貢献度が高いのだ。
周東もここまで打率.212と決して好調とは言えない。ただ、俊足を生かした広大な守備範囲でヒットをアウトに変えるプレーは、すでに何度も見てきた。昨季は守備に不安があったものの、今季は大きな成長を感じさせている。「ヒット1本に値する」と工藤監督も語っているように、自主トレを共にする今宮と周東の二遊間は、今のソフトバンクにとっては大きな武器となっている。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)