鷹・工藤公康監督の恐るべき眼力 なぜ和田毅の6回での“失速”を予期していたのか?
和田が6回にアクシデントで降板となったものの、リリーフ陣にはその前に準備させていた
■ソフトバンク 4ー1 楽天(21日・PayPayドーム)
ソフトバンクは21日、本拠地PayPayドームで行われた楽天戦に4-1で快勝し、引き分けを挟んで3連勝とした。先発の和田毅投手が6回途中1失点と好投。アクシデントにより降板となったが、今季2勝目をマークして球団では史上初となる40代での複数勝利を達成した。
3回にグラシアル、栗原、中村晃と3本の適時打が飛び出し、楽天先発の則本昂から一気に3点を奪った。先発の和田は立ち上がりから楽天打線をほぼ完璧に封じ込めた。3回までは1人の走者も許さぬ完全投球。4回に小郷に左翼線への二塁打を許したものの、5回までわずか1安打に封じる圧巻の好投だった。
だが、6回に先頭の岡島にソロ、さらに小深田、小郷にも連打を浴びた。ここで左手の親指にアクシデントが発生。指先を気にする素振りを見せてベンチへ下がると、そのまま降板に。和田は1死一、二塁のピンチを残すことになったが、ここは嘉弥真が左の辰己を、泉が浅村を打ち取って、得点を許さなかった。
和田は5回までわずか63球。うまくいけば7回、8回、そして完投さえも見えるペースできていた。結果、緊急降板となったが、和田のあとを受けマウンドに上がった嘉弥真と泉の2人は急遽、肩を作ったわけではなかったという。工藤公康監督は「アクシデントという形にはなりましたけど、嘉弥真くんと泉くんは作っていました」と明かす。指揮官は5回の和田の投球を見て、6回に左腕が“失速”する可能性をある程度、予感していたのだという。