オリ中嶋監督、交流戦初戦大敗に苦言 狭いハマスタで5被弾に「慎重さも大胆さも…」
パ本拠地には存在しない両翼94メートル、中堅118メートルの“スモールサイズ”
■DeNA 10ー3 オリックス(25日・横浜)
就任1年目のオリックス・中嶋聡監督は昨季も途中から監督代行を務めたが、交流戦で指揮を執るのは初めて。25日に敵地・横浜スタジアムで行われた今季交流戦初戦のDeNA戦では、いきなり3-10の大敗を喫した。
先発の山岡泰輔投手は2回、無死一塁で宮崎に真ん中高めに浮いたフォークを左翼席へ運ばれ、2死後には大和に今季1号ソロを被弾。4回にもソトに左翼席へ6号2ランを浴び、この回限りで早々とKOされた。2番手の金田和之投手も5回、佐野にバックスクリーン左への5号2ラン、ソトにこの日2発目の7号ソロを献上。被本塁打は計5本に上った。
「風、(球場の)狭さを考えたら、慎重さも大胆さもなかった」と山岡に苦言を呈した中嶋監督。両翼94メートル、中堅118メートルの横浜スタジアムのような“スモールサイズ”は、パ・リーグの本拠地球場には存在しない。オリックスの本拠地京セラドーム大阪は両翼100メートル、中堅122メートルある。
中嶋監督は29年間にわたった現役時代に、2003年の1年間だけ横浜(現DeNA)に在籍したが、久々にセの本拠地球場、とりわけハマスタの狭さを痛感したかもしれない。山岡は「低めに投げようと意識していましたが、高めに浮いてしまうボールが多かったですし、そこを捉えられてしまっていたと思います」と反省した。
山岡は一昨年と昨年に開幕投手を務めた先発の柱だが、今季は黒星が先行。これまで中5~6日だったインターバルをこの日は10日空けて臨んだものの、再出発の出端をくじかれた格好だ。今季4敗目(2勝)を喫し、防御率も4.09となった。中嶋監督は「いますぐ(先発ローテから)外すという話が出ているわけではないが……」と首をひねる。
セ・リーグの球場で投手が打席に入るのも、中嶋監督にとっては指揮官として初めての経験だ。この日は5点を追う5回の攻撃で、早々と山岡に代打を送らざるをえなかった。「きっちり抑えていれば代打を出さなくてもいいでしょうが……どっちにしろ劣勢になったら厳しい」と肩を落とした。
今季のオリックス投手陣は、高卒2年目の宮城大弥投手がリーグトップの防御率2.05の活躍。山本由伸投手も同3位の2.37&リーグトップの60奪三振をマークしているだけに、山岡の復調がチームの上位進出の鍵になりそう。混戦のパ・リーグにあって、少なくとも交流戦で一気に置いていかれる事態だけは避けなければならない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)