専門家が「佐藤輝の3発より驚いた」 西武中村の交流戦歴代トップ独走弾に見る“凄み”
交流戦通算78号、同207打点目は歴代トップ
■阪神 10ー7 西武(28日・メットライフ)
“交流戦男”の本領発揮だ。西武・中村剛也内野手は28日、本拠地メットライフドームで行われた阪神戦の7回に右翼席中段へ、歴代最多の交流戦通算78本塁打目となる今季4号2ランを放った。交流戦通算207打点も歴代トップを走っている。
西武は1点ビハインドの7回、阪神3番手の右腕・馬場を攻め、まずは森の同点適時二塁打で追いついた。なおも続いた無死二塁で、中村は外角高めの144キロ速球に軽くバットを合わせただけに見えたが、打球は逆方向の右翼中段に吸い込まれ、勝ち越し4号2ランとなった。
試合はギャレットが9回に乱れ、阪神のルーキー・佐藤輝にこの日3発目となる決勝13号3ランを浴びて敗れた。しかし、現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「佐藤輝の3発より、むしろ、おかわり君の1発の方がびっくりした」と評した。
「あの打ち方であそこまで飛ぶなら、まだまだいくらでもホームランを打てそう。今季まだ4本目なんて思えません。そもそも今年が16回目の交流戦で78本も打っていること自体が凄すぎます」と野口氏は言う。
中村はプロ20年目で、栗山と並ぶチーム野手最年長の37歳。現役最多の通算428本塁打、本塁打王6回、打点王4回の実績を誇る。特に交流戦に強いのは、「想像ですが、普段から数多く対戦するパ・リーグ球団と違い、セの球団は中村の研究が足りず、攻略法を確立できていない表れかもしれない」と野口氏は見る。
昨季は故障もあってシーズン打率.213、9本塁打の不振に終わった。球団もドラフト1位で桐蔭横浜大・渡部、6位で東農大北海道オホーツク・ブランドンと即戦力の三塁手を2人獲得し、“ポストおかわり”へ動き始めた。ところがどっこい、今季は故障や新型コロナウイルス感染で主力が次々と離脱する中、さすがの勝負強さを発揮している。場面によっては、チームのために右翼方向へ軽打するシーンも目立つようになった。得意の交流戦で、持ち前のパワーも健在であることを証明するか。