広島に続いて西武でも新型コロナ陽性者 専門家が考える“異常なシーズン”を生き抜く秘訣
主力の離脱を「普段から考えておくことが首脳陣にとって重要」
広島が新型コロナウイルスの陽性者続出をうけて5試合を延期したのに続き、西武も主将の源田壮亮内野手が陽性、ザック・ニール投手と木村文紀外野手が濃厚接触者と特定された。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「いまや、いつ、誰が感染してもおかしくない。どれだけ予防していても100%はない。どの球団も陽性者が出ることを想定しながら戦わざるをえない」と見る。
西武にとって攻守の要である源田の離脱は特に痛い。源田が陽性判定前に右大腿部の張りを訴えて欠場した23日の日本ハム戦以降、代役の遊撃手として7年目・24歳の山田遥楓内野手がスタメン出場している。もともと山田は外崎修汰、山野辺翔両内野手が相次いで故障で戦列を離れたことを受け、二塁手として穴を埋めていた選手だ。打撃は打率.213(28日現在)と低迷しているが、守備力には定評がある。
「源田は球界ナンバーワン遊撃手ですから、代役はどこにもいない。首脳陣も選手も1人で穴を埋めようとせず、束になってかかっていくつもりで臨む方がいいと思います」と野口氏は言う。
主力に大量の離脱者を出しながら戦いを続けざるをえないチームは、改めて控えを含め選手層の厚さが問われることになる。野口氏は「図らずも各球団の編成、育成力が露わになっている」と指摘する。
さらに各チームとも、いつ誰が離脱しても慌てないように、あらゆる事態を想定しておくことが必要だと言う。「どのチームにも、手薄な部分や替えが利かない部分がある。たとえば、巨人は岡本が離脱したらどうするのか。中日でビシエドが、DeNAで両外国人がいなくなったら……普段から考えておくことが首脳陣にとって重要な作業になると思います」。コロナに翻弄される“異常なシーズン”を勝ち抜くのはどのチームなのだろうか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)