稲葉監督と田中将が共有する思い 星野仙一さんに捧ぐ金メダル「五輪の借りは五輪で」

侍ジャパン・稲葉篤紀監督(左)と楽天・田中将大【写真:荒川祐史】
侍ジャパン・稲葉篤紀監督(左)と楽天・田中将大【写真:荒川祐史】

前回の北京大会のメンバーだった稲葉監督と田中将大

 野球日本代表「侍ジャパン」の稲葉篤紀監督は16日、都内で会見し、東京五輪の内定メンバー24選手を発表した。そのうち13人は、稲葉監督の下で世界一に輝いた2019年11月の「WBSCプレミア12」に続いての選出となる一方で、前回五輪である2008年北京大会を経験しているのは2人だけ。選手では田中将大投手ただ1人。もう1人は、当時外野手として選出された稲葉監督その人である。

「2017年の監督就任から4年。五輪の借りは五輪で返すという、強い気持ちで引き受けさせていただいた。改めて申し上げます。目標は金メダルです」。会見に臨んだ稲葉監督は語気を強めた。

 五輪競技に野球が採用されたのは、2008年の北京大会以来3大会ぶり。当時、日本ハムの外野手だった稲葉監督は5月頃から臀部に痛みを抱えていた。日本代表を率いていた星野仙一監督から電話があったという裏話を披露。「『出たいのか、出たくないのか、どっちや?』と聞かれて、『出たいです』と返事をしたことを今でも覚えています。正直言って、自分はケガをしてもいいという覚悟、そこへ捧げる思いがありました」と強い覚悟と思いがあったことを明かした。

 北京では全試合に5番で出場し、決勝打2本を放つなど奮闘した稲葉監督だったが、「金メダル以外はいらない」と目標を掲げていたチームは、準決勝の韓国戦、3位決定戦の米国戦に敗れ、まさかのメダルなしに終わった。こうした経緯があるだけに「北京で非常に悔しい思いをして、(五輪から野球の)競技がなくなり、復活する東京五輪で監督をやらせてもらえるという、私にとって最大のチャンスをいただいた。個人的な思いでもありますが、金メダル獲得をしっかり目指していきたい」と雪辱に燃える。

24人に稲葉監督が込めた思い「日の丸を背負うことに対して熱い思いを思った選手の集まり」

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