2014年に飛躍を期待したいプレーヤー “小バース”森田一成内野手はその才能を開花できるか
「飛ばす力」に特徴のある森田
豪快なスイングで、打球は外野を悠々と超えていった。阪神の入団6年目の24歳・森田一成(いっせい)内野手のバッティングに来季への期待が高まっている。
2008年に岡山・関西高校からドラフト3巡目で入団した左のスラッガー。高校通算25本とアーチをかけてきた。しかし、1年目に右肩を負傷し、翌年は育成選手になった。それでも2010年に復帰し、2軍でチャンスをうかがってきた。
今年、ウエスタンリーグで16本塁打を放ち、才能が開花し始めた。1軍でもプレー。そして、今年の秋季キャンプで掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーターの目に留まる。かつて、阪神最強の助っ人、ランディ・バースとクリーンアップを打っていた掛布氏は森田の豪快なバッティングを見て、「小バース」と名付けた。1軍で実績がない分、バースとまではいかない。それでも、バースのようなアーチをかける力を持っていると期待している。
何より「飛ばす力」があるという。ポイントを比較的、前におき、膝を曲げて打つなど体の柔軟性を使って、高低、左右のコースに対応。多少、打撃フォームが崩されても、ミートポイントが一定になっていることから、打球がしっかりと飛んでいく場面が随所に見られた。掛布氏から体重移動などのアドバイスをもらった森田は、今まで打ち損じていたものが、軽いスイングで飛んでいく感覚をつかんだという。
185センチ、88キロという恵まれた体格は貫禄がある。あとはタイミングの取り方、1軍投手への慣れが身に付けば、きっと、阪神を救う強力な大砲、4番打者候補として名前があがってくるだろう。ポジションは一塁のレギュラーを目指すが、簡単なことではない。まずは代打から結果を出して、その座をつかんでいきたいところだ。和田監督に辛抱強く使ってもらえるように、森田は開幕までの春季キャンプでアピールを続けていく。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count