侍Jの左腕は復調気配、DeNA助っ人は出色の数字 セイバー指標で選ぶセ月間MVPは?

中日・大野雄大【写真:荒川祐史】
中日・大野雄大【写真:荒川祐史】

巨人、DeNA、阪神、ヤクルトが月間12勝をマーク

 2009年以来12年ぶりに交流戦を勝ち越したセ・リーグ。リーグ戦は徐々にAクラスとBクラスの間に“断層”ができつつある。そんなセ・リーグの6月の「月間MVP」をセイバーメトリクスの指標で選出してみる。

 選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。

 7日に発表された「大樹生命月間MVP賞」でセ・リーグは阪神の青柳晃洋投手、DeNAのタイラー・オースティン外野手が受賞した。では、セイバーメトリクスの指標ではどうなるか? 6月のセ・リーグ月間成績を振り返る。

〇巨人:12勝7敗3分
打率.250、OPS.752、本塁打30、援護率4.69
先発防御率3.53、QS率40.9%。救援防御率2.55

〇DeNA:12勝8敗2分
打率.302、OPS.831、本塁打24、援護率6.37
先発防御率5.42、QS率27.3%、救援防御率3.59

〇阪神:12勝10敗1分
打率.248、OPS.672、本塁打17、援護率3.94
先発防御率2.40、QS率73.9%、救援防御率4.07

〇ヤクルト:12勝10敗1分
打率.257、OPS.748、本塁打28、援護率4.96
先発防御率4.48、QS率43.5%、救援防御率2.61

〇中日:8勝13敗2分
打率.240、OPS.662、本塁打18、援護率3.65
先発防御率4.73、QS率45.5%、救援防御率2.57

〇広島:6勝16敗3分
打率.261、OPS.685、本塁打18、援護率3.89
先発防御率5.56、QS率44.0%、救援防御率3.27

 4球団が12勝をマーク。その中で躍進が目立ったのはDeNA。チーム打率.302、OPS.831と卓越した攻撃力を擁し、平均6点以上の援護をチームにもたらした。

 対照的に得点力を落としたのは中日と広島。平均3点台の援護では投手に負担を強いることになる。阪神も平均援護点が3点台に落ちたが、チーム防御率が2.88だったため、月間勝ち越しとなった。

 セイバーメトリクスの指標による6月の月間MVP選出を試みる。

オースティンはOPS1.361、打率406をマーク

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