侍J稲葉監督、金メダルに向け“鉄のカーテン”「情報戦」「ダダ漏れは良くない」

侍ジャパンのミーティングに臨んだ稲葉篤紀監督【写真:Getty Images】
侍ジャパンのミーティングに臨んだ稲葉篤紀監督【写真:Getty Images】

打撃投手も務め「要望があれば今後も」

 東京五輪に出場する野球日本代表「侍ジャパン」が19日、仙台市の楽天生命パーク宮城で強化合宿を開始。前回野球競技が実施された2008年北京五輪には外野手として出場しメダルなしに終わった稲葉篤紀監督は、金メダル奪取でリベンジを期す。

「朝のミーティングの時点で、気持ちが高ぶってきました」と鼻息を荒くした指揮官。出場選手24人中で北京を経験しているのは、楽天・田中将大投手ただ1人で「彼は北京を一緒に戦った仲間。オリンピックがどういう大会かを知っている。国際経験が豊富で、メジャーでもやっていた。いろんなことを若い選手に伝えていってほしい」と特別な思いを寄せた。

 稲葉監督はこの日、フリー打撃中に打撃投手も務めた。五輪では出場選手、スタッフの数が限定されるとあって「球場に入れる人数が限られるので、私も投げないといけない。要望があれば今後もやります」とうなずいた。2019年プレミア12など過去の国際大会でも、ソフトバンク・甲斐拓也ら主に捕手を相手に打撃投手を務めたことがあるそうで、「年々拓也(甲斐)の成長を感じています」と笑った。

 田中将と楽天・浅村栄斗内野手は新型コロナウイルス予防接種の副反応、日本ハム・近藤健介外野手は急性胃腸炎で、それぞれオールスターを欠場していたがこの日は3人とも元気に参加。

 また、ソフトバンク・柳田悠岐外野手も、球宴で右脇腹に違和感を覚えたため、この日はフリー打撃を行わず別メニュー調整となったが、キャッチボール、外野ノックはこなした。稲葉監督は「本人は『やれます』と言ったが、無理をさせるところではない。大事を取りました。投げるのも走るのも大丈夫です」と説明した。

 五輪本番初戦となる28日・ドミニカ共和国戦(福島県営あづま球場)、2戦目の31日・メキシコ戦(横浜スタジアム)の先発投手が気になるところ。稲葉監督も胸の内では決めている様子だが、「来る時が来たらお伝えします」と明かさず「情報戦なので、こっちの情報がダダ漏れでは良くない」とポツリ。

 24日、25日に予定されている練習試合2試合の先発も「それによって(本番の先発の)予想をつけようとしてますよね?」と報道陣の顔色をうかがいニヤリ。「予告先発なんですけどね……」と言いつつ、ギリギリまで相手に研究の時間を与えないつもりだ。金メダルに近づくためなら、なりふり構わず、やれることは全てやる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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