「プロ野球に、もっとビジネスを」パ・リーグが仕掛ける新たな就職イベント
新卒・中途採用を目的とした仕事研究・体感イベントを開催
パシフィックリーグマーケティング株式会社(以下、PLM)の根岸友喜代表取締役は、会場に集まった学生・社会人を前にオープニングでこう語った。
「フィールドの選手がプロなら、ビジネスのプロがいたっていい。大谷翔平選手がチャレンジの場をアメリカに移すが、プロ野球界で働いている職員も将来的にメジャーリーグを目指す時代が来てもいい」
パ・リーグ6球団、そしてPLMを含めた7つの企業が一同に集まり、2019年度新卒・中途採用を目的とした仕事研究・体感イベント「PACIFIC LEAGUE BUSINESS CAMP2018」を開催した。事前登録でエントリーした新卒大学生・大学院生、そして若手社会人が対象となり、「プロ野球に、もっとビジネスを。」というキーワードで、午前午後合わせて約1200人が参加した。
ビジネス界で活躍する者がスポーツ業界へ転職する、優秀な大学生がスポーツ業界へ新卒として入社することは米国では稀なことではない。だが、これまでの日本では業界内人材の固定化・非流動化が課題とされてきた。優秀なビジネスパーソンの応募・採用ができていなかったことから、今回のイベント開催の目的として、プロ野球界、そしてスポーツ界全体の市場を拡大することをミッションとして掲げた。
日本のスポーツ界ではまだ少ない取り組みだが、米国では希望者が説明を聞きたい球団ブースに足を運んで聞くというようなイベントが、ウィンターミーティングを含めたスポーツ業界のカンファレンス、そして各球団主催でもシーズン中に開催されている。
根本的な日米の考えなどの違いがあるものの、米国では経験やスキルなど即戦力としての能力がより求められる。1つの球団が主催するジョブフェアもシーズン中に実施され、同じ街を本拠地とする他チームもその場でインターンや新入社員のリクルーティングを行う。参加者は話を聞くというよりは、自分をアピールするために球団のブースに並び、職員と1対1の時間を持つことが多い。その短時間の中で話術やネットワーキングスキルが問われ、関係者に対して即戦力としての素質を見極められる。