韓国代表の力は「5~10年前より落ちている」 “連続金”逃し地元メディアが痛烈批判
大リーグへ挑戦した3人の左腕を欠き、見えてきた現実は…
優勝した2008年の北京五輪を初め、WBCやプレミア12という国際大会で韓国代表は躍進し、野球人気復活の原動力となってきた。それが東京五輪では4日の日本戦、5日の米国戦と、敗者復活を含めた2度の準決勝に敗れ、2大会連続の金メダルを逃した。韓国メディアからは、代表の実力低下を懸念する声が上がっている。
韓国メディア「マイデイリー」が「予見された悪夢 米日に対して崩れたマウンド」と題した記事では「2度の準決勝で、チームのアキレス腱が明らかになった」としている。
何かと言えば、投手力の低下だ。近年の国際大会で活躍していたのは、リュ・ヒョンジン(ブルージェイズ)、キム・グァンヒョン(カージナルス)、ヤン・ヒョンジョン(レンジャーズ傘下)という3人の左腕だ。彼らがアメリカに活躍の場を移した時、後に続く選手が育っていないことがあらわになった。これを「冷たい現実が確認された。韓国野球の投打戦力は5~10年前に比べて確実に落ちている」と厳しい言葉で伝えた。
今大会、4番打者を初めとする打線の不振が敗因に挙げられる中、この記事は「国際大会には変数が多い。見知らぬ相手と環境を相手に、打者が毎試合爆発的に打つのは難しい」とし、「投手力が強固ならいい成績を収められる。韓国が過去の国際大会でいい成績を残せたとき、ほとんどの場合は投手が自分の役割をやり遂げ少ない得点でも勝っていた」。投手力の不足がより大きな敗因であるとしている。
韓国代表の選手選考は揺れに揺れた。そもそも「投手力が不安だ」という声があり、辞退者もあった。元阪神の抑えオ・スンファン(呉昇桓、サムスン)と、彼につなぐチョ・サンウ(キウム)、コ・ウソク(LG)という必勝パターンはあったが「1試合を確実に背負えるエースはいなかった」と指摘する。
先発がイニングを食えないことで、リリーフに負担が集中した。チョ・サンウはここまでの6試合中5試合に登板、記事も「米国との準決勝、6回1死満塁のピンチを抑えられなかったのは、すでにこの大会で5試合目だったからだ。100%のコンディションではなかった」と言い切っている。「ただでさえ投手力が弱い状況で、質的、量的に全てが不足していた。米国と日本に連敗したのは偶然ではない」と結論付けた。
韓国は国内リーグの人気も、代表の活躍が大きく左右するお国柄。ここからの行動には球界の今後がかかる。記事は「これらを逃してはならない。最終的にイ・ウィリ(キア)、コ・ヨンピョ(KT)、キム・ジンウク(ロッテ)らの新顔を育てて、国際大会の経験と成功へのノウハウを会得させなければならない。高成長のあと、停滞期にある韓国野球の現実だ」と、今大会を経験した若手の成長に期待していた。
(Full-Count編集部)