“元獅子戦士”が揃う楽天に苦戦の西武 「どこかに原因が…」辻監督のやるせない思い
8回1死まで無安打、愛斗の右前打でノーノーを免れた
■楽天 5ー0 西武(13日・メットライフ)
パ・リーグ5位に低迷する西武は東京五輪開催に伴う中断期間が明けた13日、本拠地メットライフドームで楽天と対戦し、元同僚の岸孝之投手に8回1死まで無安打無得点に抑えられた。愛斗外野手が岸の113球目をとらえて右前へ初安打を放ったものの結局、楽天3投手の前にこのヒット1本のみで0-5と完敗。辻発彦監督はやるせない思いを吐露した。
西武打線は1回、2死から森、中村が連続四球を選び、一、二塁の先制機を得たが、栗山はカウント2-2から外角いっぱいの145キロの速球に手が出ず見逃し三振。2、3、4回は3者凡退で、岸をリズムに乗せてしまった。4回には中村がインハイの速球を2球空振りした後、真ん中低めのチェンジアップを振らされ3球三振に倒れるなど、配球にも翻弄された。
辻監督は「(岸は)立ち上がりは良くないのかなと感じたが、徐々にというか、緩急だよね。うまくバッテリーにやられたと思います」と脱帽。岸が2016年オフにFA移籍するまで西武で10年間活躍した元同僚なら、捕手の炭谷銀仁朗捕手も18年オフに巨人へFA移籍した元同僚だ。
岸は今季黒星が先行していたが、7月に炭谷が巨人から金銭トレードで加入したのをきっかけに復調。最近3試合は気心の知れた炭谷とバッテリーを組み、2勝0敗、防御率1.40と息の合ったところを見せている。
西武は0-1で迎えた5回の守備では、先発の松本航投手が1死満塁から、これまた2018年オフのFA移籍まで同僚だった浅村栄斗内野手にバットを折りながらしぶとく左前へ2点適時打された。
他にも2013年オフにロッテへFA移籍するまで在籍していた涌井秀章投手、17年オフにポスティングシステムでメジャーへ移籍した牧田和久投手と“元獅子”が顔をそろえる楽天に対し、“本家”の西武は今季2勝9敗2分(13日現在)。5位低迷の要因となっている。そもそも、石井一久GM兼監督が2013年まで6年間投手として西武に在籍していたことが、西武出身者が集まる背景にある。
辻監督は「楽天さんに特に負け越しているのは、どこかに原因があるんだろうけれど、これからはそんなこと言ってられない」と語気を強めた。
首位のオリックスとのゲーム差は7.5に広がり、2年ぶりのリーグ優勝を狙う上で崖っぷちに追い込まれた。この日は、日本ハムからトレードで加入したばかりの平沼翔太が8回1死一塁で代打出場し、空振り三振に終わったものの新風を吹き込んだ。ここから何としても獅子の意地を見せたいところだ。
(Full-Count編集部)