DeNAの野球を変えるか? 初猛打賞の19歳森敬斗、チームの弱点補う最大の魅力とは…
森敬斗はイースタン最多の68安打&同2位の16盗塁、1軍昇格後は打率.348
■阪神 6ー2 DeNA(17日・東京ドーム)
DeNAの高卒2年目、19歳の森敬斗内野手が奮闘している。17日に東京ドームで行われた阪神戦に「2番・遊撃」で出場して5打数3安打とプロ初の猛打賞。三浦大輔監督も「打席でも守備でも、思い切りよくプレーしてくれていますね」と目を細めた。
森は4回先頭で迎えた第2打席で阪神先発・青柳のストレートを捉えてセンターオーバーの二塁打。続く佐野の中前適時打で生還した。5回の第3打席では、セーフティバントを試みた(ファウル)後、痛烈に三遊間を襲う打球で遊撃・中野のグラブを弾き内野安打。7回の第4打席は二塁手の前への高いバウンドの打球だったが、俊足を飛ばして内野安打にしてみせた。遊撃守備も軽快にこなした。
神奈川・桐蔭学園高から2019年ドラフト1位で入団した右投左打の好打者は、1年目の昨季に8試合の出場機会を得て打率.250(12打数3安打)。今季は打撃に悩み開幕2軍スタートとなり、現役時代に巨人の二塁手として活躍した仁志敏久2軍監督の下で“修業”を積んだ。
常時スタメン遊撃手として出場し、イースタン・リーグ最多の68安打。同2位タイの16盗塁を量産する一方で8つの盗塁死を記録しており、若者らしい試行錯誤のあとがうかがえる。前半戦終了直前の7月10日に今季1軍初昇格。.348(23打数8安打)の高打率をマークしている。
DeNAの遊撃にはプロ16年目の大和内野手がいて、今季も得点圏打率.408の勝負強さを誇り、交流戦では球団史上最高タイの3位となる原動力になった。好守の柴田竜拓内野手も控えている。それでも森の溌剌としたプレーは大きな魅力だ。
何より、DeNAにとってここ数年の課題となっているのが盗塁数の少なさ。昨季は31個、今季も19個でいずれも12球団最少の数字だ。森は7月11日の中日戦(バンテリンドーム)で1盗塁と1盗塁死を記録。走力と走る意欲はチームにとって貴重だ。若武者が定位置をつかむようなら、DeNAの野球そのものを変える可能性がある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)