PS進出へレッドソックスの大きな賭け 復帰直後の左腕に求める「一線級のエース」の姿
左ひじ手術から復帰し2連勝、不安視された制球も抜群
球宴後の勝率が5割を割り、ポストシーズン進出争いで正念場を迎えつつあるレッドソックスの再浮上には、左ひじのトミー・ジョン手術から復帰したばかりのクリス・セール投手の働きがカギになる。米テレビ局「CBSスポーツ」が公式サイトで公開した記事が「求める姿は一線級のエース」といきなり高い要求を突き付けている。
セールが先発した20日(日本時間21日)のレンジャース戦に勝利し、レッドソックスは現在ア・リーグ東地区3位。首位のレイズからは5.5ゲーム、ワイルドカードからは0.5ゲーム差だ。記事では、現在のレッドソックス先発陣の防御率がア・リーグ15チーム中8位であり「プレーオフ進出へ燃えるチームとしては最善ではない」と指摘した。さらにWHIP(1ニングあたりに出す走者)が1.38でリーグ13位、6回3失点以内のクオリティスタートを達成する割合も13位タイだという。
セールは2020年の開幕前に手術を受けシーズンを全休、今年8月14日のオリオールズ戦で復帰しいきなり5回2失点の成績を残した。記事は「それよりも感心すべき点は彼の奪った8三振と無四球だ」として、セールが見せたより大きな可能性を指摘している。レ軍はセールの復帰に際し比較的長い時間をかけたことで「復帰間もない投手が苦しみやすい制球力の問題に、見舞われずに済んでほしいと願っている」とし、残した数字も期待に沿っている。
レッドソックスのフロントは7月30日のトレード期限までに大きな補強をすることはなかった。記事はその理由について「セールに大きな賭けをした。その賭けが報われるか、すぐに判明するだろう」と結んでいる。大リーグ通算111勝73敗の「勝てる」エースは、ボストンに歓喜をもたらすことができるだろうか。
(Full-Count編集部)