3月まで学校勤務→161キロ投げるMLB投手 華麗なる転身に同僚「クレイジーだよ」
ヤ軍右腕ライディングスは昨年10月から今年3月までフロリダ州の学校に勤務
14日(日本時間15日)から27日(同28日)まで13連勝を飾るなど、ア・リーグ東地区首位のレイズを猛追するヤンキース。新戦力の台頭が今月好調の要因に挙げられるが、その1人が今月メジャーデビューした26歳の右腕スティーブン・ライディングス投手だ。3日(同4日)のオリオールズ戦で初登板に臨み、1回を1安打3奪三振無失点。100マイル(約160.9キロ)も記録する鮮烈デビューを飾った。以降、15日(同16日)のホワイトソックス戦までに計5試合、5回を投げて4安打7奪三振1失点で防御率1.80をマークした。
記事によると、ライディングスは、コロナ禍でマイナーリーグが中止になった昨年10月から今年3月にかけて、フロリダ州の小さな町ランタナにある「パームビーチ・マリタイム・アカデミー」で代理教師を務めた。本人は「ただ出席を取ったり授業計画を配ったり、子どもを列に並ばせたりしていただけ」と控えめだが、学校の人事担当者によると「もっと色々なことをしていた」という。
ライディングスはキャンパスで子どもたちが学校の秩序を保ち、ルールを守るための仕事に従事。身長約203センチ、体重約99キロの巨漢は子どもたちの間でも話題になり「この仕事以外に何をしているの?」と尋ねられることもあり、「プロ野球選手なんだ」と答えると、子どもたちがネットで検索することもあったそうだ。
昨年11月にロイヤルズから自由契約になったが、トレーニングを積んでいたジムはヤンキースのパフォーマンスコーチであるエリック・クレッシー氏が経営していた。クレッシー氏がライディングスの動画を球団フロントオフィスに送り、スカウトがトレーニングを視察。ヤンキースと今年1月に契約した。学校を離れたライディングスは2A、3Aで好成績を残して8月にメジャー昇格。その後の活躍は同校でも話題になり、「サインをもらっておいたらよかった」と話す職員もいるという。
ヤンキースのカイル・ヒガシオカ捕手が「クレイジーだよ。どんな代理教師が100マイルを投げるんだよ」とコメントするなど、実力も話題性もたっぷりのライディングスは最近3Aに降格したが、9月1日(同2日)には再昇格の見込み。“100マイルを投げる元代理教師”が今後どんな投球を見せるか、注目される。