圧倒的な「地肩」の強さ…20年前の“衝撃的送球”に改めて脚光「キャノン砲」
ライトフェンス際から三塁へ、ホセ・ギーエンの驚愕プレーに「なんて送球だ!」
マリナーズに6年ぶりに復帰したイチロー外野手は、数々の驚異的な送球で本場アメリカを沸かせてきた。その肩は、メジャーでも間違いなくトップクラス。力強く、抜群のコントロールを誇る。まさに「レーザービーム」と呼ぶに相応しい一直線の美しい軌道で、現在もファンや球界関係者を魅了している。ただ、メジャーには信じられないような身体能力を誇る選手が数多くいる。イチローとは全くタイプが違うものの、圧倒的な「地肩」の強さで走者を刺したホセ・ギーエンの“驚愕送球”がMLB公式ツイッターで紹介され、再び脚光を浴びている。
球界きってのトラブルメーカーとしても知られていたギーエン。今でも語り草となっているプレーが生まれたのは、パイレーツ時代の1998年7月27日・敵地ロッキーズ戦だった。パイレーツ4点リードで迎えた3回。2死走者なしでロッキーズのペレスが右翼への大飛球を打ち上げた。メジャー2年目、22歳だったギーエンは背走し、フェンス際で必死にジャンプするも、ボールに届かない。
しかし、見せ場はこの後だった。フェンスで跳ね返ったボールを拾うと、ペレスが二塁を回ったのを見て、三塁へ向かってボールを投げた。ロケットのように強烈な勢いで飛び出したボールは、中継に入った選手の頭上を越え、そのまま失速することなく三塁手のグラブにピタリ。ペレスはアウト。超ロングスローに敵地はどよめいた。
スペイン語系のMLB公式ツイッターでは現在、中南米選手の過去の美技を振り返る企画を行っている。このギーエンの驚愕の送球は、MLBドミニカーナが「1998年に立ち戻り、ホセ・ギーエンのキャノン砲を思い出してみよう」と紹介。「ワオ! ギーエンのなんて送球だ!」などと絶叫する当時の実況の声も収められている。
距離があるため、「レーザービーム」のような低い軌道のボールではないが、「地肩」の強さは驚異の一言。メジャー史に残る“衝撃的送球“の1つと言えるだろう。