地元紙はヤンキースのマー君獲得に自信? 米記者が「ヤンキースが本当に誰かを欲しがったとき、彼らはその選手を獲得する」
田中はどの球団でプレーすることを望んでいるのか
名門球団のプライドが、マー君の争奪戦に敗れることを許さないのか。米紙ニューヨーク・ポストのケン・デビッドフ記者が「野球殿堂の投票、Aロッド、タナカが1月を忙しくする」と題したコラムを掲載した。1月の注目事項の1つに楽天からポスティングされた田中将大投手(25)の去就を挙げ、ヤンキースが獲得できるかを検証している。
著名なコラムニストのデビッドフ記者は、古い野球の格言として次の言葉を紹介している。「ヤンキースが本当に誰かを欲しがったとき、彼らはその選手を獲得する」。超人気球団のプライドの高さを表現した言葉と言えるだろう。
昨年、プレーオフ進出を逃して絶望を味わったチームは、先発ピッチャーの補強が必要不可欠となっている。ただ、マット・ガーザ、ウルバロ・ヒメネス、アービン・サンタナらFA市場の中には好みの選手はおらず、他チームとのトレードを考えても魅力的な投手はいない。レイズのデビッド・プライスはトレードが濃厚とされてきたが、よほど一方的な取引でない限り、同じア・リーグ東地区のチームとの交渉には応じないだろう。
したがって、入念にスカウトされてきた田中はヤンキースに心から好かれているという。
ライバルに挙げられているのはマリナーズだ。今オフ、FAとなったロビンソン・カノは10年2億4000万ドル(約252億円)でマリナーズに移籍した。ただ、マリナーズが2度にわたって、ヤンキースが対応できないほどの額の資金を費やすだろうか。「そうはならないだろう」とデビッドフ記者は指摘する。ヤンキースはカノを残留させることよりも、田中を獲得することに遙かに力を入れているからだという。
ヤンキースが本当に獲得を望みながら実現しなかった例は、最近では3年前のクリフ・リーだけだ。2010年終了後にFAとなった左腕は、ヤンキース移籍が確実と言われていた。しかし、2009年に約3か月所属したフィリーズのことを気に入っており、復帰することを決めた。
デビッドフ記者は「MLBで投げたいということ以外、田中の個人的な信念や欲望について、我々はほとんど分かっていない」と認める。その上で「リーが特殊だったと考えると、私は田中がヤンキーになるという考えに固執することになるだろう」と自信を見せている。
実質、FAとなっている新ポスティングシステムでは、選手は希望の球団を選ぶことが出来る。やはり大本命が日本のエースを射止めるのだろうか。
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フルカウント編集部●文 text by Full-Count