イチローも歓迎したマ軍新指揮官 「GM→監督」は理にかなった人事?
メジャーで選手&監督経験ゼロのマーリンズ新指揮官、その最大の手本は…
メジャーでの選手・監督経験がゼロながら、マーリンズの新監督に就任したダン・ジェニングス氏。スカウトやフロント陣としては30年近い経験を持つ人物だが、監督経験は1986年にレッズのスカウト職に就く前、高校で教えた3年間だけという異例の抜擢だった。
54歳のルーキー監督の就任については、米メディアから賛否両論の声が飛んでいるが、監督自身は「メディアもやらなければならない仕事がある。書きたいように書いてくれればいい」と意に介せず。同時に新ベンチコーチに就任したゴフ氏の知恵を借りながら、新たな監督像を造り出すと意気込んでいる。
そんなジェニングス新監督の最大の手本となるのは、77歳の今でも高校のフットボールチームでコーチを続ける父のドン・ジェニングス氏だ。
「私は、コーチを務める父のいる家庭で育った。今でも現役で、50年近くもコーチを続けている。子供の頃、我が家にはあるモットーがあった。負けることを恐れていては勝利は得られない、というモットーだ」
もう1人、監督就任が決まってから貴重なアドバイスを送ってくれた人がいるという。球団公式サイトの記事に紹介されているが、その人物とはNFL殿堂コーチのビル・パーセルス氏だ。
NFLニューヨーク・ジャイアンツを2度スーパーボウル優勝に導いた名ヘッドコーチは、マイアミ・ドルフィンズのフロントオフィスで働いていた経験も持つ。かつてドルフィンズとマーリンズは球場を共有していたため、そこで2人は友情をはぐくんだ。現在、マーリンズのキャンプ地ジュピターにほど近いパームビーチに住むパーセルス氏が、キャンプ中にふらりと姿を現すことは珍しくないという。
パーセルス氏が電話で伝えてくれたアドバイスは次のようなものだったという。
「根本となるのは、自分がしっかり責任を持ち、自分のスタイルを貫くこと。いくつか話をしてくれる中で、自分がNFLで初めてコーチを務めた時の経験も教えてくれたよ。たくさんの経験を持つ人物だからこそ、共感できる話も多い。私の心にも響いたよ。違うスポーツではあるけれど、学ぶところは大きい。チームを引っ張り、大の男たちを引っ張っていくということ。そして、アスリートたちをチームとしてまとめあげるということ。彼のアドバイスはすべて私のためになるものだった」