MLBで痛快な“シフト破り”が大成功 ナ軍強打者が外野4人シフトを打ち破る
王者アストロズは内野3人、外野4人の守備隊形敷いたが…
MLBでしばしば見られる、特定の打者に対して敷く極端な守備シフト。オープン戦でもその効果を試すために、実験的に守備シフトを敷くチームがあるが、23日(日本時間24日)に行われた一戦では、その守備隊形が完璧に打ち破られる場面があった。
MLBの公式動画コーナー「Cut4」で紹介されたのは、フロリダ州パームビーチで行われたアストロズvsナショナルズのオープン戦の一幕だった。極端な守備シフトを打ち破ったのは、ナショナルズのマット・アダムス。2回の打席に、それは起きた。
アダムスが打席に入ると、昨季、ワールドシリーズを制した王者アストロズは“アダムス・シフト”を敷いた。内野手を一塁、一二塁間の深い位置、二塁ベースのすぐ脇と3人を配置。外野には左翼、左中間、右中間、右翼と4人を置き、二三塁間の内野には誰もおらず、ポッカリと穴が空いていた。
このシフト、アストロズは21日の同カードで一度挑戦している。この時はアダムスが空振り三振に倒れてしまい、効果は分からずじまいだったため、アストロズは再びトライしたのだった。
アストロズの右腕ゲリット・コールと対峙したアダムス。再び敷かれたシフトに対し、思い切った策に出た。コールがボールを投じる直前、突然、構えを切り替えて絶妙なバントに打って出た。無人の三遊間方向に打球は転がる。慌ててマウンドを駆け下りたコールだったが、ボールはグラブに収まり切らず。結果は見事なセーフティーバントとなった。
「再び外野4人シフトに直面したマット・アダムスは、バントで一塁への道を切り開いた」と題して特集した「Cut4」。記事では「アダムスは彼のスピードと小技について知られてはいなかったが、状況が許せば、バントという選択肢もあることを示して見せた」とレポートしている。プレシーズンから展開される、シーズンの戦いに向けて行われる駆け引き。再び、もしこのシフトに対峙した時、アダムスはどうやって打ち破るだろうか。