鷹・長谷川勇也、涙の引退セレモニー 家族に感謝「野球に集中させてくれてありがとう」
「悔いはありません。最後の打席も自分らしく終われました」
■ソフトバンク 2ー2 日本ハム(21日・PayPayドーム)
今季で現役を引退するソフトバンクの長谷川勇也外野手が21日、本拠地での日本ハム戦で現役ラストゲームに臨んだ。7回1死二塁で代打で登場し、現役最終打席は一ゴロ。試合後の引退セレモニーでは涙ながらに、支えてくれた人たちに感謝を述べた。
同点で迎えた7回。先頭のデスパイネが右前打で出塁。続く中村晃が犠打を決めて走者を進めると、1死二塁のチャンスで代打の切り札として長谷川の名前がコールされた。惜しくも一ゴロに倒れたものの、一塁ベースへ執念のヘッドスライディング。スタンドのファンからは大きな拍手が送られた。この長谷川の執念に応えるように、続く甲斐が左翼スタンドへと飛び込む12号2ラン。この一発に長谷川は号泣。ベンチへ戻ってきた甲斐も目を潤ませていた。
引き分けに終わった試合後、引退セレモニーが行われ、長谷川は「プロに入って15年。若い時の自分を思うとここまで長くできると思っていませんでした。それも王監督、秋山監督、工藤監督、コーチの方々の指導のおかげだと思っています。ありがとうございました。支えてくださったスタッフ、トレーナー、用具メーカーの方々、体のケアをしてくれた先生、手術をしてくれた先生、関わってくれた全ての人がいなければ15年間やってこれなかったと思います」と感謝の思いを述べた。
そして言葉を詰まらせたのは家族への思いを語った時。「一番近くで支えてくれた家族、妻には気を遣わせることも多く、子供たちにも我慢させることも多く、助けてもらいました。野球に集中させてくれて本当にありがとう」と、瞳から涙を溢れさせながら、思いを口にした。
「多くの方々に支えられてやってきた現役もこれで終わりです。悔いはありません。一生懸命やりました。バットも沢山振りました。最後の打席も自分らしく終われました。会見では順風満帆ではなかったと言いましたが、今日1日を通して考えが変わりました。訂正します。長谷川勇也のプロ野球生活15年は多くの方々に支えられ、順風満帆の野球人生でした」と声を詰まらせながら語ると、ファンからは惜しみない拍手が送られていた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)