オリックス山本に“9冠”の可能性 沢村賞は5項目で基準クリア、シーズンMVPも大本命

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

沢村賞の基準となる登板数、勝利数、勝率、奪三振、防御率をクリアしている

 パ・リーグのレギュラーシーズン全日程が30日に終了し、オリックス山本由伸投手は最多勝利(18勝5敗)、最優秀防御率(1.39)、勝率第1位(.783)、最多奪三振(206)の4冠に輝いた。5月28日から破竹の15連勝でシーズンを終えた23歳右腕は今後、どんな賞を受賞する可能性があるだろうか。

 山本は今季リーグ最多の193回2/3を投げ、上記のように圧倒的な成績でオリックスの25年ぶりリーグ制覇に大きく貢献。シーズンMVPの最右翼に挙げられる。“対抗”は32本塁打で自身初の本塁打王に輝いた杉本裕太郎外野手、打率.339で2年連続首位打者を手にした吉田正尚外野手の同僚野手か。貢献度は3選手とも高いが、山本へ票が多く集まりそうだ。

 沢村賞も濃厚だ。選考基準は登板25試合以上、完投10試合以上、15勝以上、勝率6割以上、200投球回以上、150奪三振以上、防御率2.50以下の7項目が設けられている。山本は26試合登板、6完投、18勝、勝率.783、193回2/3、206奪三振、防御率1.39で、完投数と投球回以外の5項目をクリアしている。2018年からは補足項目としてクオリティスタート率(QS率)に近い「7回自責点3以内の試合」の割合も追加されたが、山本はこちらも77%と高い。

 初のベストナインは確実。さらに、初のゴールデングラブ賞も有力だ。昨年はソフトバンク千賀滉大投手が受賞したが、山本も2位の楽天・涌井秀章投手に次ぐ3位の60票を集めている。

 2013年に24勝無敗、防御率1.27の圧倒的成績を残した楽天・田中将大投手は同年、これらの賞に加えてコミッショナー特別表彰、正力松太郎賞・特別賞、最優秀バッテリー賞(捕手・嶋基宏)を受賞した。山本は今季、頓宮、伏見、若月の3捕手と先発バッテリーを組み、7月9日のソフトバンク戦以降の11試合は全て若月がマスクを被った。最優秀バッテリー賞の可能性も十分にあるだろう。

 既得の4冠にシーズンMVP、沢村賞、ベストナイン、ゴールデングラブ賞、バッテリー賞受賞となれば計“9冠”に。ポストシーズンにはクライマックスシリーズMVP、日本シリーズMVPもある。2021年シーズン、右腕はどれだけの栄誉を得るだろうか。

(Full-Count編集部)

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