20歳太田椋を抜擢のオリ中嶋采配がズバリ… 専門家も感嘆「今季を象徴する勝ち方」
野口氏「若手の思い切りの良さ、勢いを買ったのでしょう」
■オリックス 6ー5 ヤクルト(日本シリーズ・25日・東京ドーム)
オリックスは25日、東京ドームで行われたヤクルトとの「SMBC日本シリーズ」第5戦を壮絶なシーソーゲームの末に6-5で制し、対戦成績を2勝3敗とした。ヤクルトに王手をかけられて迎えた崖っぷちの試合をしのぎ切った。プロ3年目の20歳、太田椋内野手が「8番・二塁」で日本シリーズ初出場。同点の7回に勝ち越し三塁打を放つなど4打数2安打1打点の活躍でチームを救った。
土俵際に追い込まれた中嶋聡監督は、若武者に賭けた。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズを通じてスタメン二塁を務めてきた33歳のベテラン・安達をシリーズ打率.091の不振をうけてベンチ入りメンバーからも外し、代わりに太田を起用した。
「もともと若手の躍進がなければ、昨季まで2年連続最下位のオリックスがリーグ優勝を果たすことはできなかった。そういう経緯もあって、後がない状況で若手の思い切りの良さ、勢いを買ったのでしょう。今季を象徴するような勝ち方でした」。こう解説するのは、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏だ。
太田はロッテとのCSファイナルステージでも、代走で1度出場しただけだった。それでも5回の第2打席では、ヤクルト先発・原の内角高めシュートにバットを折りながら、しぶとく左前へポテンヒット。2-2の同点で迎えた7回1死二塁の好機で、今シリーズ絶好調のヤクルト3番手・石山から右中間を破る勝ち越し三塁打。塁上でガッツポーズを見せた。初球の外角低めいっぱいの147キロ速球を見送った後、2球目の外角スライダーを一振りで仕留めた。