春男から脱皮? 2打席連続弾のロッテ井上に指揮官ハッパ「毎年4月まで」

ロッテ・井上晴哉【画像:(C)PLM】
ロッテ・井上晴哉【画像:(C)PLM】

プロ通算4本塁打、井口監督「今年が一番のチャンスであり一番のピンチ」

“アジャ”井上がお立ち台で「春男から脱皮します」と宣言し、本拠球場を埋めたファンからヤンヤの喝采を浴びた。ロッテの4番・井上晴哉内野手が31日、本拠地での楽天戦で、自身プロ初となる2打席連続本塁打をマーク。井口資仁監督の初勝利に花を添えた。

 初回に美馬のフォークをとらえ、左翼最前列に今季1号アーチをかけると、3回の第2打席では先頭・中村の1号ソロとアベック弾。同じく美馬の143キロのストレートを中堅バックスリーン右へ突き刺した。

 2本目は“野球の師匠”と慕う井口監督が、昨年9月24日の引退試合で9回に放った同点2ランを彷彿とさせる軌道を描いた。金森打撃コーチと共に、井上にはセンター返しの基本を徹底指導している井口監督も「2本目はよかった。今後も4番を打ってもらわなきゃいけない選手。今まで何回もトライして失敗してきている。一皮も二皮もむけてほしい選手」とハッパを掛け、さらなる奮起を促した。

 開幕戦では、初回1死二、三塁の先制チャンスに凡退。「気持ちが高ぶりすぎていた。右足に体重を乗せるのが甘かった。それを修正した」と振り返る。それから一夜明けての2本塁打。「(引退試合の)井口さんのホームランの映像と(2本目が)似ている気がした。井口さんの背中を追っている気が…」と、とぼけるあたりは相変わらずの“アジャ”井上だが、本物の覚醒を一番願っているのは、もちろん井口監督だ。「彼は今年が一番のチャンスであり、一番のピンチでもある。毎年4月まで。彼も一番分かっているはず」と“春男”返上を願うのは言うまでもない。

 調整不足ではあるが、2軍には新外国人のドミンゲスもいる。チームの状況次第では、昨年同様に外国人大砲の緊急補強もあり得るだけに「1打席1打席が勝負です。謙虚に謙虚に」と井上。春先でダメになるのは疲労して崩れるパターンだと自覚し、疲労した時にあえて負荷をかけるトレーニングにも昨年から取り組んでいいる。

 プロ4年間で本塁打は4本。それもシーズン最多2本塁打の井上が1日で1年分を打った。目覚めが本物かどうかが分かるのは、シーズンが終わってからだ。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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