鷹・柳田のGG賞は「おかしいでしょ」 後輩の栗原が唱えた投票結果への“異議”
柳田の失策はリーグ最多、守備率.964は上位10人に入らない
15日に行われた契約更改交渉で3600万円増の年俸8000万円で来季の契約にサインしたソフトバンクの栗原陵矢捕手(金額は推定)。今季は初めて全143試合に出場し、キャリアハイの成績を残した。もともとは捕手ながら、来季からは正式に登録を「外野手」に変更して臨むことになる。
交渉後の会見を終え、報道陣の囲み取材に応じていた栗原がこんな言葉を発した。まだ手にしたことのないタイトルが話題になった時だ。「タイトル取りたいですね。お願いしますよ、ゴールデングラブ賞の投票も。柳田さん(のGG賞は)おかしいでしょ。エラー7個ですよ。記者の方、お願いしますよ」。突如として先輩である柳田悠岐外野手の受賞に“異議”を唱えたのだ。
もちろん栗原は柳田のことを尊敬しており、グラウンドを離れたところでも仲がいい。冗談交じりの発言で、良好な関係性があってこその“先輩イジり”なのだが、ただのイジりだけではない事実もある。
ゴールデングラブ賞はプロ野球担当の記者による投票で決まる。投票資格は「5年以上のプロ野球取材経験のある新聞社・通信社・テレビ局・ラジオ局のプロ野球担当記者」に与えられている。今年はロッテの荻野貴司が234票、楽天の辰己涼介が166票、そして柳田が91票で選出された。4位以下は楽天の岡島豪郎(46票)、日本ハムの浅間大基(42票)と続き、栗原は35票で6位だった。
栗原の言う通り、柳田は外野手でリーグワーストの7個の失策を犯している。守備率で見ても、荻野、浅間は10割、栗原は.995と高い数字を残している一方で、柳田の守備率は.964。パ・リーグの上位10人にも入らない。
それは野球を科学的に分析するセイバーメトリクスの指標でも表れている。守備での貢献を同じ守備位置の平均と比較した指標「UZR」で見ると、パ・リーグ外野手のトップは岡島で14.0。2位以下は荻野の12.6、辰己の8.9、西武・愛斗の6.0、栗原の4.7、浅間の4.4と続き、柳田は-1.2となる。
確かに柳田には脚力も生かしたダイナミックな守備、豪快なスローイングと華がある。ただ、ホークスファンであればお気づきかもしれないが、決して守備が“とてつもなく上手い”選手ではない。今季は両アキレス腱の状態に不安を抱えながらのプレーだったことも影響している部分はあるが、確かにゴールデングラブ賞選出にふさわしかったかというと、栗原の言う通り疑問が残るものだった。
(Full-Count編集部)