1.5億円大幅ダウンでも決意の楽天入り 西川遥輝が会見で「石井監督」連呼したワケ
「石井監督とお会いして、期待を持っていただいていることがうれしかった」
日本ハムを自由契約となり楽天への移籍が決まった西川遥輝外野手が25日、オンラインで入団会見を行った。今季中に海外FA権を取得したものの、日本ハムが来季契約を提示しない“ノンテンダー”となってから1か月超。今季の2億4000万円から1億5500万円ダウンの年俸8500万円での楽天入団の決め手となったのは、石井一久監督からの「これは運命なんだ」という口説き文句だった。(金額は推定)
今季は打率.233と低迷したが、24盗塁で3年ぶり4度目の盗塁王を獲得。出塁率.362もリーグ10位で、自己最高の.430に達した昨季ほどではないが、決して悪くなかった。西川は「石井監督とお会いして、今季この成績に終わったにも関わらず、僕に期待を持っていただいていることが本当にうれしかった」と述懐した。
「石井監督から『盗塁と出塁率を期待している』と言われたので、期待されているところは絶対条件として、他の部分でも打つ方や守備で貢献できたらなと思います。来季は全ての部門でキャリアハイを目指し、石井監督を胴上げできたらなと思います」と意気込んだ西川。会見中、何度も「石井監督」の名前を挙げたところが、なんとも印象的だった。
その石井監督は、現役時代から若手からの信望が厚かった。2018年9月に楽天GMに就任すると広い人脈を生かし、同年オフに西武からFAとなった浅村栄斗内野手、翌2019年オフにはロッテからFAとなった鈴木大地内野手、米国帰りの牧田和久投手(今季限りで自由契約)を、争奪戦を制して獲得してきた。西川も石井監督とは「監督になられる前から、会話はさせていただいていました」と言う。
従来のGM職に加えて、今季からは監督を兼務してきた石井監督。東日本大震災からちょうど10年にあたることから、優勝と日本一を期待されたものの、結局は3位に終わり、CSもファーストステージで敗退した。来季こそ自ら整えた戦力を操り、頂点へ駆け上がれるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)