「ウィッフルボール」をご存じですか? “裏庭野球”が全米注目の一大ビジネスに
米スポーツ専門メディアが奇跡の成長物語を紹介
「ウィッフルボール」というスポーツをご存じだろうか。“裏庭野球”とでも形容できる、狭い場所でも手軽にできるベースボールだ。2010年、米ミシガン州で5人の子どもたちが作ったリーグがその後一大ビジネスに発展。現在では動画がYouTubeで合計4200万回以上再生され、キャップやバット、ウェアなども公式グッズとして販売するようになった。この奇跡のような成長過程を、米スポーツメディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
記事では現在、ウィッフルボールが8チーム、50選手の参加するリーグにまで成長したことを紹介。その他にも全米でトーナメントが行われているといい「個性豊かな選手たちがロケット弾(のような打球)を打ち、バットフリップをしたり、(投球分析家の)ピッチングニンジャも真っ青になるようなとんでもない球を投げたりしている」。リーグを始めた時は中学生だったカイル・シュルツ氏が今ではフルタイムの仕事としてこのリーグを運営している。
メジャーリーグ・ウィッフル(MLW)は昨年、12回目のシーズンを戦った。ルールは簡単だ。3イニング制、野手は3人、グラブは使わず、走者をアウトにする際にはボールを投げ当てる。投球は時速73マイル(約117.4キロ)までに制限され、2度目の違反は自動的にボールとなる。ボールはプラスチック製で軽く、穴が開いており、時に想像もつかない変化を見せる。
仲間内での遊びがなぜここまで成長したのか、理由はYouTubeでの放映にあるという。現在、視聴者は29万3000人、TikTokとインスタグラムのフォロワーは52万人に達している。2010年のリーグ立ち上げ当初から公式チャンネルを作り、世界中の人々が彼らの成長を見守ることとなった。次第にマスメディアも注目し、2018年の「MLWワールドシリーズ」での好守は、米スポーツ専門局ESPNの有名番組「スポーツセンター」で「この日のトップ10プレー」に選ばれた。昨年10月には米テレビ局TBSのスタジオで、殿堂入りの名投手ペドロ・マルティネスに競技の手ほどきをするまでになった。
リーグの共同創設者であるトミー・コフリン氏は記事で「私たちのチャンネルが、100万人以上の登録者を獲得できない理由はないと思っています」と話している。さらに成長を続けていきそうだ。