根尾以上の期待「アイツは絶対化ける」 同僚こぞって確信…中日“新成人”ドラ1の覚醒
プロ2年間は故障に泣かされた石川昂弥が持つ天性の長打力
新成人を迎えた若手選手の中で、特にブレークの呼び声が高い注目株が、中日にいる。チームメートら周囲が口を揃えて太鼓判を押すのが、高卒3年目を迎えた石川昂弥内野手。9日に愛知・半田市の成人式に参加した未来の主砲が持つ天性の長打力は、2月のキャンプでも熱視線を浴びそうだ。
石川昂は東邦高3年春の選抜大会優勝をひっさげ、2019年のドラフト会議で3球団競合の末に中日に入団。2020年の1年目は左肩痛などで出遅れ、7月に1軍デビュー。14試合で36打数8安打、打率.222、1打点だった。2年目も左尺骨骨折などで1軍出場なし。故障に泣かされてきただけに、まずはシーズン通してプレーすることがブレークの前提条件になる。
新たに立浪和義監督が就任して迎えた昨秋のキャンプでは、中村紀洋打撃コーチらからの指導を受けながら、驚きのアーチを数々放った。力感のないスイングとは対照的に、ぐんぐんと伸びる打球。周囲の視線を独り占めにした。
その可能性は、同僚たちの反応を見ればよく分かる。先輩選手たちの多くは、メディアなどで口を揃えたように「石川昂弥」の名前を若手有望株の筆頭に挙げる。遊撃のレギュラーで、選手会長を務める京田陽太内野手も「アイツは絶対に化けますよ。ちょっと打球の飛び方が違う」と目を見張った。
チームには、4年目を迎えた根尾昂内野手をはじめ才能豊かな若手野手は多いが、期待値では頭ひとつ抜けている状況は見て取れる。貧打が課題としてのしかかる中、ここまで大砲候補の補強をしていない立浪ドラゴンズ。裏を返せば、石川昂の独り立ちこそが“一丁目一番地”にあるのかもしれない。
ヤクルト・奥川恭伸投手やロッテ・佐々木朗希投手やオリックス・宮城大弥投手らすでにチームの主力になったタレント揃いの新成人。石川昂も世代を代表するひとりになれるか――。節目の1年が、覚醒のシーズンになるかもしれない。